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大の里 最速横綱へ 大相撲夏場所 連覇、初土俵から13場所【更新】

大の里(資料写真)
大の里(資料写真)


大相撲夏場所13日目は23日、東京都墨田区の両国国技館で行われ、東大関大の里(24)=本名中村泰輝、石川県出身、茨城県阿見町・二所ノ関部屋=が西大関琴桜を寄り切りで下し、自身初の13連勝で2場所連続4度目の優勝を決め、場所後の横綱昇進を確実にした。大の里は横綱昇進には言及せず「こんなに早く優勝が決まるのは予想していなかったのでうれしい」と優勝の喜びを語った。

幕下付け出しの初土俵から所要13場所での横綱昇進は、輪島の21場所を更新し、年6場所制となった1958年以降初土俵の力士で最速。日本出身としては、2017年初場所後に昇進した大の里の師匠、稀勢の里(現二所ノ関親方、同県牛久市出身)以来、8年ぶり。

大の里は今場所、力強く前に出る相撲で白星を重ね、賜杯争いを引っ張った。中日の8日目に単独首位に立ち、12日目までに後続に3差をつけていた。13日目での優勝は15年初場所の白鵬(現宮城野親方)以来。大の里は「まだ場所が終わっていない。星を伸ばせるよう頑張る」と全勝優勝に意欲を示した。

日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)の推薦内規には「大関で2場所連続優勝か、それに準ずる好成績」とあり、2場所連続優勝で昇進を見送られた例はない。26日の横審を経て、28日の名古屋場所番付編成会議と臨時理事会で「第75代横綱大の里」が正式に決まる。

新横綱の誕生は、今年1月の初場所後に昇進したモンゴル出身の豊昇龍以来で令和3人目。

■持ち味の馬力で圧倒

持ち味の馬力を生かした圧倒的な相撲で、横綱昇進を確実なものにした。大関大の里は、大関琴桜に立ち合いで激しくぶつかると、琴桜の張り手にひるまず、一気の攻めで寄り切った。

今場所は前に攻める意識を強め連勝を続けた。初日は前頭筆頭若元春をもろ手突きから一気に寄り切り、2日目は先場所優勝を争った小結高安をはたき込んだ。大関昇進後は全て黒星がついていた4日目も、前頭筆頭の王鵬を迫力十分の立ち合いではじき飛ばした。

3人とも先場所に敗れた相手。師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)が「魔物が潜んでいる」とポイントに挙げていた序盤を力強く乗り越えると、勢いは加速した。

8日目に前頭3枚目平戸海を押し出して全勝を維持。綱とりの重圧が高まる中、単独首位に立って最高の形で折り返した。

11日目は過去2勝2敗と分が悪い小結若隆景との一番。土俵際まで追い込まれたものの、肩越しにつかんだ右上手を離さず、体ごと寄り倒した。優勝した先場所後、師匠から「上に行くためには苦手力士をつくらないこと」と受けた助言を実践してみせた。

連勝を自己最長の13に伸ばして優勝を決めたが、大の里は「まだ場所は終わっていない。星を伸ばせるよう頑張る」と引き締める。過去3度の優勝は、昨年9月の秋場所が13勝、あとの2度は12勝だったからだ。

真価が問われる残り2日間。自身最多の勝ち星、さらには2021年の照ノ富士(現照ノ富士親方)以来の全勝優勝を遂げ、昇進に花を添えるつもりだ。

■「何も考えず集中できた」 一問一答
 大関として2場所連続優勝を13日目に決め、横綱昇進が確実となった大の里。感極まった表情で土俵を下りたが、支度部屋の報道陣の前では笑顔を見せず、淡々と今場所を振り返った。一問一答は次の通り。
 -2場所連続の優勝を決めた感想は
 率直にうれしい。
 -優勝を決める一番は、同じ大関の琴桜が相手だった
 優勝のことは頭の中に入っていた。全体的に落ち着いていた。
 -今場所を振り返って
 一日一番しっかり集中することができた。落ち着いて伸び伸びと、何も考えず思い切って相撲が取れた。
 -4度目の優勝。これまでとの違いは
 こんなに早く優勝が決まるのは予想していなかったのでうれしい。優勝の余韻は場所が終わってからにしたい。まだ場所が終わっていない。9月の秋場所は14日目に優勝を決め千秋楽で負けた。残り2日間を大事にする。星を伸ばせるよう頑張る。
 -全勝優勝の可能性がある
 やってみたい気持ちはある。
 -横綱昇進が近づいた
 まだ場所は終わっていない。場所後にいい報告が聞けたら。
 -地元ではパブリックビューイングがあった
 いっぱい人が集まり、応援してくれていたのでうれしかった。

■大井川知事 「県民に喜び、希望」 

大の里が大相撲夏場所で優勝を決め、大井川和彦知事は23日、「2場所連続、通算4回目の優勝、おめでとう」と祝福する談話を発表した。「多くの県民に喜びと夢、希望をもたらしてくれた」とコメントした。

■大の里泰輝(おおのさと・だいき=本名中村泰輝)

2000年6月7日生まれ、石川県津幡町出身、二所ノ関部屋。新潟・海洋高から日体大に進学し1年で学生横綱、3、4年で2年連続アマチュア横綱に輝く。23年夏場所に幕下10枚目格付け出しで初土俵。同年秋場所新十両。24年初場所新入幕。新小結の同年夏場所で幕内初優勝。2度目の優勝を果たした同年秋場所後に大関に昇進。優勝4回。殊勲賞2回、敢闘賞3回、技能賞3回。得意は突き、押し、右四つ、寄り。192センチ、191キロ。24歳。生涯戦歴134勝43敗(25年夏場所13日目時点)




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