「デジタル住民票」販売へ 茨城県内初 八千代町、ファン増期待


茨城県八千代町は、偽造が不可能なデジタル技術「非代替性トークン(NFT)」を活用した「デジタル住民票NFT」を県内で初めて発行する。住民基本台帳に基づく住民登録とは異なり、1枚千円で販売。購入者は町内に住んでいなくても「デジタル住民」になることができ、特典を受けられる。地域のファン、関係人口を増やすための取り組みで、売り上げの一部は町の財源確保に当てられる。
デジタル住民は法律上の住民とは違い、自治体の行政サービスは受けられないが、観光施設の利用割引やまちづくりに参加できる権利などを得られる。2023年に山形県西川町が全国の自治体で初めて販売。同町は5月1日時点で、人口4456人に対し、832人のデジタル住民がいる。
八千代町は、旅行会社の東武トップツアーズ、NFT市場運営会社のメディアエクイティと連携し、デジタル住民票を発行。この2社と連携した発行は全国で5自治体目となる。販売額や特典は自治体によって異なり、同町は千円で販売する。枚数は千枚限定。期間は30日から6月16日まで。
同町のデジタル住民票は「無限フルーツチケット」と称し、年に1回メロンやナシなど千円相当の農産物や加工品を町内の直売所で受け取れるのが特徴。他にも特典として、町内の温泉やキャンプ施設での利用料割引のほか、インターネット上の仮想空間「メタバース」を使った町長や町職員とのミーティングや、特産品のアイディア募集など、まちおこしに参加してもらう企画も検討している。
まちづくり推進課の担当者は「購入者が八千代町の応援団となり、町に来てもらうことを目的に販売したい」と意気込んだ。購入は、NFTマーケット「HEXA(ヘキサ)」から。問い合わせは同課(電)0296(48)1111。