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大相撲夏場所 大の里V 最速横綱昇進へ 茨城・阿見でPV大歓声 「横綱がいる町に」

大の里が2場所連続4度目の優勝を果たし歓声に沸くパブリックビューイング会場=阿見町本郷
大の里が2場所連続4度目の優勝を果たし歓声に沸くパブリックビューイング会場=阿見町本郷


二所ノ関部屋のある茨城県阿見町では23日、同町本郷の町本郷ふれあいセンターでパブリックビューイング(PV)が開かれ、大関大の里が大関琴桜を下し2場所連続優勝を決めると、画面で熱戦を見ていた町民らから「おめでとう」「これで横綱だ」と大きな歓声が上がった。

会場には「頑張れ二所ノ関部屋」と書かれたのぼり旗が立てられ、集まった住民ら約100人が「めざせ優勝! 大の里」などと書かれた紙やバルーンスティックなどを手に観戦した。大の里が画面に姿を見せると「頑張れ」「優勝して」と大きな声援。琴桜を力強く寄り切りで制すると、ひときわ大きな歓声が上がった。取組後は、町で用意したくす玉を子どもたちが割り、2場所連続優勝を祝った。

家族で観戦した町内在住、小学3年、引田望結さん(8)は「大の里が一番好き。優勝してうれしい」と笑顔を見せた。母親の千晴さん(39)は「全勝して文句なしの昇進につなげてほしい」と明日以降の取組にも期待した。

初日からの13連勝で、圧倒的な強さを見せ優勝を果たした大の里。同県牛久市在住の小島貴範さん(51)は「他の力士を寄せ付けない盤石の相撲を見せてくれた。早くも横綱の風格がある」と笑顔。大の里の大ファンという同県美浦村在住の魚津孝さん(81)は「大相撲の長い歴史で横綱は74人しかいない。初土俵から2年でここまで駆け上がったのは奇跡だ。とにかく偉い」と称賛。二所ノ関親方に続く「日本人横綱」誕生へ胸を躍らせた。

二所ノ関部屋は、阿見町荒川本郷に2022年に開所し、6月で開所から3年を迎える。千葉繁町長は、「3年前に横綱が誕生するとは夢にも思わなかった」と感動した表情。「大関のいる町だったが、横綱のいる町になる。二所ノ関部屋を引き続き応援したい」と述べた。

■「茨城の誇り」「愛される横綱に」 県民歓喜

大の里が2場所連続優勝で横綱昇進を確実にしたことを受け、茨城県内関係者から喜びの声が上がった。

同県つくば市で4月に行われた大相撲の春巡業「つくば場所」で事務局長を務めた同県石岡市の山口紀代子さん(84)は両国国技館で声援を送った。偉業達成に山口さんは「茨城の誇り。誰が見ても素晴らしいと言うような品位を持った横綱になってほしい」と期待を込めた。

二所ノ関部屋後援会の会員で阿見町在住の飯塚由紀江さん(66)は「綱とりのプレッシャーはあったと思うが、落ち着いて前に出る相撲が取れていた。まだ若いのでけがに気を付けて、息の長い横綱になってほしい」と望んだ。

二所ノ関部屋鹿嶋後援会長の田口伸一鹿嶋市長も「本当にうれしい。横綱に昇進しても今まで通り素直に相撲に取り組んで、全国の人に自信や勇気を与える力士になってほしい」と話した。

二所ノ関部屋の手伝いなど行う町民による「二所ノ関部屋協力隊」は、部屋の力士たちを間近で応援してきた。隊員の戸田さつきさん(46)は圧倒的な取組に「負ける未来が見えなかった。けがをしないで多くの人に愛される横綱になって」と願った。

横綱昇進となれば、二所ノ関親方に次ぐ日本人横綱、県勢横綱の誕生となる。県相撲連盟の広沢努理事長(56)は「二所ノ関親方が現役引退後、茨城に部屋をつくり、これほど立派な力士が育つことはうれしく思う。親方の指導力はもちろん、本人の努力もあってこそ。県民の誇り。さらに部屋が繁栄して、茨城の相撲の発展につながってほしい」と話した。



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