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大の里偉業「自分たちも」 部屋と交流 相撲部、稽古に熱 東洋大牛久高 茨城

朝稽古に励む東洋大牛久高校相撲部の部員たちと、指導する山本紳童監督(中央)=牛久市柏田町
朝稽古に励む東洋大牛久高校相撲部の部員たちと、指導する山本紳童監督(中央)=牛久市柏田町


二所ノ関部屋(茨城県阿見町)の大関大の里が大相撲夏場所で2場所連続優勝し、横綱昇進を確実にしたことで、二所ノ関部屋と出稽古などで交流を続けてきた同県牛久市の東洋大牛久高校相撲部の部員たちが意欲を燃やしている。「自分たちも頑張ろうという気持ちが高まった」。直接肌を合わせ、身近に感じてきた〝先輩〟の偉業に感化され、相撲部の稽古場は一層熱を帯びる。

交流のきっかけは二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)と同校相撲部を率いる山本紳童監督(37)の出会いだった。二所ノ関親方が現役引退した2019年ごろ、共通の知り合いを通じて山本監督が二所ノ関親方と面会した際、「地元に部屋を作るからよろしく」と伝えられた。

二所ノ関親方が田子ノ浦部屋から独立し、筑波大(同県つくば市)に仮の稽古場を設けると、そこから同校相撲部と部屋との交流が始まった。それ以来、部員たちは部屋に出向き、親方から直接指導を受けたり、所属力士たちの胸を借りたりして稽古に励んでいる。部屋が阿見町に移ってからも、本場所後の地方巡業期間に出稽古に通う関係が続いている。

高校生力士たちにとって、二所ノ関親方や所属力士たちから直接指導を受け、肌を合わせるのは貴重な時間だ。山本監督は「力士たちと近い環境にあることは(部員たちの)自信につながる。親方も快く受け入れてくれている」と語る。

同部3年の谷川大志郎主将(17)は大の里と稽古する機会があった。話した印象は「明るくて優しい、気さくな人」。だが、いざ土俵に入ると「どれだけ力を入れても押せない頑丈な壁みたいだった」と振り返る。綱とりの重圧がかかる今場所でも、力強くも落ち着いた相撲で初日から負けなしの13勝で優勝を決めた大の里。谷川主将は「焦ったりせず冷静ですごい。心に余裕があるところを尊敬している」と目を輝かせながら、「自分もこれから頑張ろうというモチベーションにつながった」と向上心を見せた。

充実した稽古環境で知られる二所ノ関部屋で、大の里は見る見るうちに力をつけた。二所ノ関親方は現役引退後に早稲田大大学院に通い、新たな相撲部屋の経営について研究。稽古の効率を高めるために通常1面の土俵を2面設け、トレーニング室のほか、力士の動きをカメラで分析するなどしている。

自身に次ぐ日本出身横綱として弟子を育て上げた二所ノ関親方について、山本監督は「今までの相撲界がやらなかったことをやっている」と話しながら、部員たちに対し「こうした部屋でともに稽古し、大の里のような力士と近い環境で稽古することで、刺激を受けてほしい」と期待を込めた。



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