《いばらき戦後80年》新たに368柱納骨 千鳥ケ淵墓苑 戦没者を慰霊

第2次世界大戦中に海外などで亡くなった身元不明の戦没者を慰霊する拝礼式が26日、東京都千代田区の千鳥ケ淵戦没者墓苑で開かれ、茨城県内を含む遺族約300人や石破茂首相、秋篠宮ご夫妻らが参列した。パラオ・ペリリュー島で収容された35柱を含む368柱が納骨され、これまでに納められた遺骨と合わせ、37万1008柱となった。
主催した厚労省によると、硫黄島やパラオ諸島などで収容した戦没者の遺骨のうち、DNA鑑定でも遺族が特定されなかった368柱を納骨した。ペリリュー島で2017、18年度に収容した35柱も含まれる。同島では、同県水戸市で編成された陸軍歩兵第二連隊(水戸二連隊)を主力とする日本軍守備隊が玉砕した。
式典では秋篠宮ご夫妻が拝礼し、遺族代表や石破首相、額賀福志郎衆院議長らが献花した。代表して福岡資麿厚労相が「謹んで哀悼の誠を捧げる。いまだに多くの戦没者が各地に眠っておられることを決して忘れず、1柱でも多くのご遺骨が一日も早く故郷に戻られるよう全力を尽くす」とあいさつした。
厚労省によると、第2次大戦の海外戦没者は約240万人。3月末現在の概数では127万7000柱を収容した。未収容の112万3000柱のうち、海に眠る「海没遺骨」が約30万柱。相手国の事情で収集が困難な遺骨が約23万柱に上る。残る約59万柱が収容可能な遺骨とされる。