大の里 横綱確定 「立派に」 なじみの飲食店祝福 茨城

二所ノ関部屋(茨城県阿見町)の大関大の里が、大相撲夏場所で2場所連続優勝を果たし、26日夜、横綱審議委員会の推薦で横綱昇進が確定した。日本出身の横綱誕生は二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)以来8年ぶりとなる。大の里の快挙に、県内のなじみの飲食店などからは祝福が相次いだ。
同県土浦市荒川沖西の「きらく」は、大の里など同部屋所属の力士が足しげく通う中華料理店。部屋から約3キロの場所に位置する。店内の壁には力士たちとの交流を物語る写真やサインが飾られている。
同店によると、大の里の初来店は2023年夏。当時はまだ、短髪の青年だった。
これまでに他の力士と一緒に6、7回、来店した。好物は名物のニラレバ炒めのほか、カツ丼やラーメン、天津飯など。毎回決まって3品注文し、全てきれいに平らげるという。
従業員の稲葉リンダさん(45)は「礼儀正しく、物腰が柔らかい。写真撮影にも気さくに応じ、店の常連さんはみんなファン」と話す。
今場所は圧倒的な強さを見せ、13日目で優勝を決めた大の里。店主の坂入れい子さん(76)は「あれよあれよという間に横綱へ上り詰めた」と、初土俵からわずか2年での急成長に驚きを隠さない。
初めて来た当時の大の里の表情を思い出しながら、坂入さんは「顔つきはもう立派な横綱。これからも常連さんたちと一緒に応援していきたい」とエールを送る。
同市神立町でちゃんこ料理店を営む元十両の田中茂さん(68)=同市出身=も、横綱誕生を待ちわびる一人。「大の里は均整の取れた体つきをしている。綱を締めたら似合うと思う」と語る。
若筑波のしこ名で活躍し、引退後に開いた店にも同じ名を付けた。大相撲関係者が来店し、二所ノ関親方も現役時代に足を運んだ。
田中さんは大の里の努力もさることながら、場所前に稽古をつけた親方の指導に舌を巻く。綱取りを目指す力士と体をぶつけ合うのは相当きついはずと察し、「それでもまわしを着けてやるのだから、親方の熱意を感じた」と話す。
身長192センチ、191キロの恵まれた体格の大の里。「同じ石川県出身の名横綱、輪島さんが達成した14度の幕内優勝の記録を超えるのも夢ではない」と田中さん。「これから相撲ファンが茨城県を訪れ、地元が一段と活気付けばいい」と期待を込めた。