大の里 横綱確定 「実感湧いてきた」 横審推薦 日本出身、稀勢以来

大相撲夏場所で2場所連続4度目の優勝を果たした二所ノ関部屋(茨城県阿見町)の大関大の里(24)=本名中村泰輝、石川県出身=の第75代横綱への昇進が26日、確定した。日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)の定例会合が同日、東京・両国国技館で開かれ、全会一致で横綱に推薦した。知らせを受け、大の里は「本当にうれしい。少し実感が湧いてきた」と喜びを語った。
新横綱の誕生は今年1月の初場所後に豊昇龍が昇進して以来。日本出身としては、2017年初場所後に昇進した師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)=茨城県牛久市出身=以来、8年ぶりとなる。相撲協会は28日午前に名古屋場所(7月13日初日・IGアリーナ)の番付編成会議と臨時理事会を開き、正式に昇進を決定する。
横審の会合は委員9人全員が出席し、約5分で終了。大島理森委員長(元衆院議長)は「受けて泰然とした相撲と、圧力、前進の相撲。プレッシャーの中で堂々とやり抜いた姿を見て、一致して文句なしという意見だった」と述べた。
大の里の横綱昇進は、23年夏場所の幕下10枚目格付け出し初土俵から所要13場所。輪島の21場所を大きく更新し、年6場所制となった1958年以降、初土俵の力士で最も速く最高位まで駆け上がった。
大の里は26日夕、二所ノ関部屋で記者会見し、「日々勉強だと思う。『横綱とは』ということを自分なりに考え、追求して頑張りたい」と語った。
先場所を優勝決定戦の末に制した大の里は、夏場所で初日から破竹の13連勝して優勝を決めた。千秋楽で横綱豊昇龍に土をつけられたものの、14勝1敗の好成績を収めた。
★横綱審議委員会
1950年5月に設置。好角家の有識者で構成され、昇進問題など横綱に関する案件について日本相撲協会の諮問に答申する。委員の定員は15人以内で現在は9人。任期は2年で5期10年まで。委員長は、2025年1月から大島理森氏(元衆院議長)が務める。「お目付け役」として不成績が目立つ場合に激励、注意、引退勧告などを決議する。10年初場所中に朝青龍が暴行問題を起こした際は引退勧告書を相撲協会に出し、20年11月場所後には休場が多い白鵬と鶴竜に注意を決議した。