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日立の菊水食品優秀賞 納豆鑑評会大粒・中粒部門 黒大豆の良さ引き出す 再挑戦し高評価 茨城

「菊水の大黒」を紹介する菊水食品の菊池啓司社長(左)と妻の計子さん=県庁
「菊水の大黒」を紹介する菊水食品の菊池啓司社長(左)と妻の計子さん=県庁


茨城県日立市の納豆メーカー、菊水食品が作る納豆「菊水の大黒」が、昨年11月に大阪で開かれた第28回全国納豆鑑評会(全国納豆協同組合連合会主催)の大粒・中粒部門で優秀賞を受賞した。同社はこれまでに同鑑評会で計7回の受賞歴があるが、同部門での受賞は初。前回の鑑評会で受けた厳しい評価を糧に、1年間かけて製造方法を試行錯誤し、再挑戦して認められた。

■「悔しかった」

菊水の大黒は大粒の黒豆納豆で、甘みとうま味が強く、もっちりした食感が特長。豆は青大豆と黒大豆を掛け合わせた「いわいくろ」という品種を使用する。青大豆のさわやかな甘みと、黒大豆の渋味や苦味が調和された味わいがある。

新型コロナウイルスによる移動制限が緩和され始めた2022年の夏、同社の菊池啓司社長(68)は新商品を作ろうと、妻の計子さん(65)と一緒に新たな大豆探しに北海道へ向かった。いくつかの農家を巡る中、いわいくろに出合った。菊池社長はその場で一口食べると、「これはいける」と確信した。

早速テスト製造を始め、23年の鑑評会に出品。しかし、審査員からは「豆の味がしておいしくない」などと厳しい評価を受けた。素材を生かした納豆作りをモットーとする菊池社長は豆の味を指摘され、「悔しかった」と振り返る。

■試行錯誤

厳しい評価を発奮材料に、大粒黒大豆の良さをさらに引き出すための研究を始めた。納豆作りでは、季節によって菌の発酵の仕方が変わる。その日の気象条件に合わせて豆の浸水時間や蒸す時間などを調節し、年間を通して味や風味が安定するよう試行錯誤した。再挑戦の結果、24年の鑑評会では「やわらかくておいしい」「糸引きが良い」と、高い評価を得た。

菊池社長と計子さんは5月13日、県庁の大井川和彦知事を表敬訪問し、受賞を報告した。

知事は同社が過去に別部門で最優秀を受賞したことにも触れ「良い物を作っている。もっと受賞歴をアピールし、商品の付加価値を高めてみては」と提案。菊池社長は「今まで受賞していなかった部門で評価されたのはうれしい」とし、「次は菊水の大黒で日本一を取りたい」と強く語った。

価格は税抜きで1パック180円。同社オンラインショップのほか、イオン東海店や日立駅構内の土産物店で販売している。



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