「副知事言動に問題」 茨城県職員死亡 第三者委報告書に付言

副知事を担当する茨城県秘書課の男性職員が死亡したことを受け、県が調査のため設置した第三者委員会が「パワーハラスメントや過重労働はなかった」と結論付けた一方、「副知事の言動に全く問題がなかったというわけでもない」と付言していたことが28日、分かった。一部報道を受け、関係者が取材に応じた。
男性は主に飯塚博之副知事の秘書業務を担当していた昨年10月に死亡。自殺とみられる。第三者委は昨年11月から遺族や職員への聞き取りなどを行い、今年2月に副知事によるパワハラを否定する報告書を県に提出。県は副知事を「厳重注意」処分とするとともに、一部内容を公表した。
関係者によると、男性の遺書とされる文書には「経験したことのない数の叱責(しっせき)、非難の言葉を受けてきた」などと記されていた。報告書の付言は「(副知事が)仕事を覚えてもらおうという意図があった」との説明に、「そうであれば、労をねぎらうなどすれば精神的負担は軽かったと推察される」と指摘している。
飯塚副知事は当時、取材に「強い当たりはなかったと思うが、全くなかったとまでは言い切れない」などと説明していた。
■今以上の公表予定なし 知事
茨城県の大井川和彦知事は28日の定例記者会見で、これまでに公表している第三者委員会の報告書の内容について「遺族の意向を踏まえ、十分な検討の上で公表できるものに限り発表している」と述べた。
第三者委を非公開としてきたほか、顧問弁護士から報告書の内容について「公表すべきでない」との助言を受けていると説明し、「現在公表している以上のものを、これから公表する予定はない」とした。