《大阪・関西万博2025》大子の林業 魅力発信 茨城県内自治体で唯一出展 間伐材アロマ体験好評

大阪・関西万博会場で、茨城県内自治体として唯一、大子町が参加する「地方創生SDGsフェス」(内閣府地方創生推進事務局主催)が始まった。会場で体験コーナーを通して同町の森林や木材、林業の魅力を発信している。万博会場内のEXPOメッセ「WASSE」で、6月1日まで開かれている。
同フェスは先導的な地方創生の取り組みを紹介するもので、28日に開幕。同町は全国51の出展参加自治体の一つとして、「地域産木材で魅力を高めるまち」をテーマにブースを開設した。町の8割を占める森林など豊かな自然を大画面の映像で紹介。地元産のスギ「八溝杉」の間伐材で作った、アロマオイルを垂らして香りを楽しむ木製の器「アロマディッシュ」作りの体験コーナーを設け、来場者から好評を得ている。
人気ゲーム「桃太郎電鉄」とコラボし、全国自治体を巡って地域の取り組みを遊びながら学べる仕組みにもなっている。開幕2日目の29日は、午前10時から午後8時まで、20分置きに4人ずつワークショップが行われたが、予約待ちの状態が続いた。
アロマディッシュ作りの作業は10~15分程度。体験者はあらかじめ輪切りにされた間伐材を紙やすりで削って形を整えた上、スギやヒノキの香りなどをブレンドした独自のアロマオイルを3滴ほど垂らし、清涼感のある香りを楽しむ。
「会場でいい香りがしたので誘われて来た」と、大阪府貝塚市の小西宏美さん(61)。東京から訪れた北川賢志さん(52)は息子で小学5年生の晴一朗さんと一緒に体験し「子どもが好きなものづくりができて、大子町のことを知ることができた」と喜んだ。
町職員らスタッフは、町の魅力を発信する貴重な機会と捉え、毎日交代しながら案内役を務める。駆け付けた高梨哲彦町長は「子どもたちに緑の素晴らしさを発信してほしい」と激励。まちづくり課の横山大空さん(23)は「作品を家に持ち帰り、香りで大子町を思い出してもらえたら」と期待を込めた。