【独自】筑西で銅像盗難相次ぐ 市内小学校の5体 板谷波山像も 茨城

茨城県筑西市内の小学校に設置されていた銅像5体が盗難被害に遭っていたことが29日までに、市教委への取材で分かった。昨年10月には、近代陶芸界の巨匠・板谷波山の胸像が市内の出身小から盗まれ、学校関係者は「残念」と肩を落とす。県内では近年、金属盗が多発しており、文化・教育的財産にも被害が及んでいる。
市教委によると、銅像の盗難は2023年度に2校で発生。24年度には3校で発生し、波山の出身校の市立下館小では波山像が被害に遭った。
同小の説明では、昨年10月16日午前7時15分ごろ、校庭にあった波山像がなくなっていることに職員が気付き、市教委に連絡するとともに県警筑西署に通報。15日夕には、石の台座の上に銅像があったことが確認されているという。同署は窃盗事件として調べている。
台座の碑文などによると、この場所にあった別の波山像を板谷波山記念館(同市)に移転するのに伴い、財団法人「波山先生記念会」が1995年10月、同市出身の彫刻家に依頼して建立した。
同小の関係者は「銅像がなくなったのは残念」と話す。市教委は盗難被害を防ぐため、防犯カメラやセンサーライトを取り付けるなど警戒を強めている。
県内では近年、金属盗が多発。昨年2月には、北茨城市内で銅像4体が盗まれたことが判明した。