東海第2 原子炉建屋内で火災 溶接用ケーブルから出火 放射性物質漏れなし 茨城

日本原子力発電(原電)は30日、東海第2原発(茨城県東海村白方)の原子炉建屋地下1階で、ケーブルトレイとそれを支える金属製の部材を溶接中に、溶接用のケーブルから出火したと発表した。現場は放射線管理区域内。協力会社員が消火器などで消し止め、消防は火災と判断した。けが人はなく、放射性物質の漏えいや環境への影響はないとしている。
原電によると、同日午前9時52分、協力会社員がケーブル接続部から約50センチの炎が上がっているのを見つけた。接続部分に焦げ跡ができ、ケーブルの行き先を記したビニール製表示物とみられる燃えかすが落ちていた。
現場は原子炉格納容器の外側から数メートルの場所。再稼働の前提となる安全対策工事の一環で、新設備から伸びる複数のケーブルが敷設されるトレイと、それを支える部材を溶接していた。
作業は協力会社4人が担当し、同日午前8時45分に始めた。協力会社が2023年にリースした溶接機から約20メートル離れた部材に電気を流すため、「接地線」というケーブルを接続していた。
東海第2では22年9月以降、11件の火災が相次ぎ発生。県と村は2月にそれぞれ同社を厳重注意し、安全管理の徹底を求めていた。
県庁で会見した東海第2の有田祐一副所長は「厳重注意を受け、火災の撲滅や再発防止対策に取り組んでいる矢先に発生させ、申し訳ありません」と謝罪し、原因究明を進めるとした。