小規模県立高で遠隔授業 桜ノ牧常北校拠点 情報Ⅰを通年 茨城

茨城県立高で生徒数や教員の配置が少ない小規模校の学習支援を図るため、県教育委員会は30日、本年度から「情報Ⅰ」の教科で、県立高では初めてとなる遠隔授業を通年で実施し、単位認定を行うと発表した。配信校は水戸桜ノ牧高常北校(同県城里町)で、受信校は磯原郷英高(同県北茨城市)と茨城東高(同県茨城町)の2校。
配信校には情報の専門教員と支援員をそれぞれ1人ずつ配置。専門教員は遠隔授業だけでなく、受信校に赴き対面授業を実施したり生徒の評価も行ったりする。支援員は機材の整備や受信校などとの連絡調整、授業サポートに当たる。同常北校を配信校に選んだ理由は、配信環境等を考慮したという。
一方、受信校では遠隔授業に当たって教員の立ち会いが必要であるが、教員の免許教科は問わない。遠隔授業は受信校2校の同時展開ではなく、配信校と受信校の一対一を想定している。実際に今年の5月から始まった。
県教委によると、導入背景について、今後も県立高で受信校2校のように1学年2学級規模以下の学校が増加する可能性があることや、2022年度から情報Ⅰが共通必履修科目となるなど情報教科の重要性が増していることなどを受けて決定したという。
今回の遠隔授業は、小規模校で学習機会の確保を図る「教科・科目充実型」に分類され、小規模校でも質の高い授業が受けられることが期待される。
柳橋常喜教育長は同日の定例記者会見で「受信校をどういうふうに増やしていくかは、各学校の教員配置数や生徒数などを見ながら検討していく」と述べた。