茨城県知事選 大井川氏3選出馬表明 「挑戦する県政進める」

任期満了(9月25日)に伴う茨城県知事選を巡り、現在2期目の現職、大井川和彦氏(61)は30日、県庁内の記者クラブで会見を開き、「茨城の飛躍のため、挑戦する県政を押し進めたい」と、3選出馬する考えを表明した。知事選で立候補を表明したのは大井川氏が初めて。
会見で大井川氏は、2017年の知事就任以降、2期8年の合計で企業立地の件数、面積、設備投資額が全国1位となっている状況のほか、農産物の輸出拡大や全国3位の1人当たり県民所得など実績を説明。地域の生き残りへ向け、「50を超える全国初の取り組みを行ってきた」と話した。
一方で、茨城空港の機能強化やつくばエクスプレス(TX)の土浦延伸などの課題を挙げ、「3期目で県の活力をさらに向上させる取り組みを進める」と強調。人口減少の深刻化にも触れ、「優秀な外国人材に選んでもらえるような施策を加速させていく」とした。
大井川氏は既に、自民党県連に対し3選出馬へ向けた意向を伝えるとともに知事選での推薦を依頼。このほかの政党に対しても「お願いしようと思っている」と、協力を求める考えを示した。自民党県連は近く役員会を開き、推薦の判断や政策協定などについて協議する方針。
21年の前回知事選では自民、公明両党に加え、国民民主党や連合茨城などから推薦を受け再選した。次期知事選の対抗馬は現在のところ、表だった動きが見られないが、前回独自候補を立てた政治団体が候補者を公募、擁立へ向けた協議を進めている。
大井川氏は1964年に同県土浦市で生まれ、同県日立市育ち。県立水戸一高、東京大を経て、88年に通産省(当時)に入省した。経済産業省政策調整官補佐などを務め、退官後はマイクロソフトアジア執行役員、シスコシステムズ専務執行役員、ドワンゴ取締役などを務めた。