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「文字のルーツ感じて」 書作家・関紫芳さん個展 絵画と融合、60年の集大成 3日から 茨城・笠間

「文字のルーツを感じてもらいたい」と話す関紫芳さん=笠間市大古山
「文字のルーツを感じてもらいたい」と話す関紫芳さん=笠間市大古山


茨城県笠間市に住む書作家、関紫芳さん(74)の個展「関紫芳展 記憶のかけら」が3日、同市笠間の県陶芸美術館県民ギャラリーで始まる。これまでに書きためた作品をリメークするなどした約60点を展示する。関さんは「文字のルーツを感じてもらいたい」と話している。同展は8日まで。

関さんは4歳の頃、文字に興味を抱き、12歳で書道を習い始めた。「文字は思いを乗せなくてはいけない」というかつての指導者の言葉を大切にしている。今は「音、リズム、波動を全部込めなくてはいけない」と心構え文字に向き合う。

「最初から、書くや画くという行為を知りたかった」と語り、言葉を視覚で見せるツールを文字とする。文字を究極の抽象画と捉え、文字と絵画が融合した「心書画」を独自に確立した。国内で数々の個展を開き、海外でも活動。イタリアやフランスなどでワークショップも行った。

今回の個展は「六十数年取り組んできた集大成」。木を組み合わせた立体や小さな石に、以前書いた作品の一部をちぎって貼り絵付けした。横約4.2メートルの和紙には和歌を書いた紙を貼り付けた。以前展示した作品は土台となり、金粉を入れたり、仮名を書き加えたり、線を引いてリメーク。土を焼いて作ったタワーにオブジェを加えたり、絵付けし文字を書いた陶板も用意する。

陶芸家の藤本均定成さんの協力により、洞窟のような細い道や、のぞき込むような場所にも作品を設置する。陶芸館オーナーの宇賀恵子さんが企画提案した。

開幕を前に、関さんは「心を込めるということは手を動かすことだと思っている。書いたものにはエネルギーを感じる。文字を記号としてではなく絵画として見てほしい」と話した。

時間は午前9時半~午後5時。入場は同4時半まで。初日は同1時から。最終日は同4時まで。



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