日立市総合戦略策定 40年度人口、13万5000人 若者や女性応援重点 茨城

茨城県日立市は、2040年度の人口を13万5000人とする目標を盛り込んだ「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の第3期計画(25~29年度)を策定した。5年前の前期計画よりも5000人引き下げた一方、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が示した推計よりは1万人多い人口に設定。減少幅の大きい若者や女性の応援などを重点に5年間で施策に取り組み、急速な人口減に歯止めをかけたい考えだ。
市総合政策課によると、社人研が23年12月に公表した推計値では、同市の人口は40年度に12万5000人とした。
市の人口は現在16万1229人(5月1日時点)。近年の減少幅は年間2500人ほどのペースで推移し、昨年は3000人を超えた。このうち、死亡数から出生数を引いた自然減は年間約2000人で、人口が減る大きな要因となっている。転出入に伴う社会減は年間1000人ほどという。
高齢化率は20年度に32%となり、県や全国平均よりも高い。人口減のうち、特に20~30代が目立つ。転出先は東京を含む首都圏のほか、同県水戸、ひたちなか、つくばなどが多い。
市内産業での従事者は雇用の多い製造業が多いこともあり、昼間人口が夜間(常住)人口より上回っているのが特徴。「一定の雇用は保たれている」(同課)と見ているが、生産人口も緩やかに減少が続く。
こうした状況を受け、総合戦略では、主に若者・女性の応援、日立製作所との「共創プロジェクト」に基づくデジタル活用などを施策に掲げる。防犯・防災対策も今回新たに加えた。
具体的には、若者向け施策では、子育て環境の充実や定住促進、首都圏との二地域居住などに取り組む。県北地域おこし協力隊は日立を拠点に活動し、魅力を発信する。防犯・防災対策では、刑法犯発生が少ないことを挙げ、「安全に暮らせる環境」を強化する。
社人研が5年ごとに示す人口推計値で、減少幅がやや緩やかになったことについて、市は「子育て支援など各種の施策の効果が現れている」(同課)と見て、総合戦略に沿って取り組みを積極的に進める考え。