つくばの魅力 SNSで発信 グルメや観光情報 筑波大の斎藤さん、鎌田さん

茨城県外出身の筑波大生2人組が、交流サイト(SNS)のインスタグラムで、同県つくば市周辺のグルメや観光情報など魅力発信を続けている。2023年5月のアカウント開設以来、ラーメンや海鮮、スイーツなど約400軒の飲食店を紹介し、現在のフォロワーは約5.4万人。2人は「つくばをみんなが好きと言える街にしたい」と声をそろえ、大学卒業後もつくばを拠点に活動を続けるつもりだ。
アカウント名「つくバズ」を運営するのは同大4年の斎藤聖さん(23)=神奈川県横浜市出身=と鎌田晃介さん(22)=奈良県奈良市出身=だ。飲食店を実際に訪れ、味や店の雰囲気、お薦めポイントなどを臨場感たっぷりに動画で伝える。
つくば市に引っ越した当初は「何もない」と思っていた斎藤さんだが、住み続けるうちに和洋中のジャンルを問わずレベルの高い飲食店がたくさんあると気付いた。「つくばの魅力が知られていない。もったいない」。そんな思いを強めていた大学2年の秋、同級生の鎌田さんを誘い、まずはグルメに特化して発信しようとアカウント「つくばグルメ」を開設した。
撮影は2人で行い、台本作成や動画編集は鎌田さん、飲食店へのアポ取りなどは斎藤さんが担当する。2人は動画撮影や編集の経験がなく、最初の数カ月は写真と文字の投稿のみ。その後、SNSで活躍する知人から助言を受け、顔出しでナレーションを入れて動画にまとめる現在のスタイルに行き着いた。
動画を見た人が安心して飲食店に足を運べるよう、内装や店員など店の雰囲気を丁寧に伝える。編集担当の鎌田さんは料理の素晴らしさを伝えるため、食欲をそそるおいしい感じを出す「シズル感」を意識しているという。料理を皿に盛る様子など動きを付けて、見る人を楽しませる工夫も欠かさない。
つくばの魅力をグルメに限らず広く伝えようと、24年3月にはアカウント名を現在の「つくバズ」に変更した。活動の幅を広げるため、2人とも同4月から1年間休学。地元飲食店と連携して駅前でグルメフェスを主催したり、活動で培ったノウハウを生かして飲食店のPRを引き受けたりしてきた。
今年4月に復学した2人は、次の目標に「年内にフォロワー10万人突破」を掲げる。卒業後は同市で起業して活動を続ける予定で、「飲食店への人材派遣や食品ロスの解消など、これまでと違う形でも貢献できたらと考えている」(斎藤さん)と「つくば愛」をのぞかせる。