住民へ物価高騰対策 水道料金減免や現金配布 茨城・境町 臨時議会に提出へ

茨城県境町は、コメの価格高騰などの物価高に対して、水道料金の2カ月分減免と全町民への現金3000円配布を行う。併せて、町外に暮らす若者にはコメ5キロを送る。町民の経済的負担軽減を目的とした町独自の物価高騰対策。町民への特産品還元と熱中症対策の2事業を加え、事業費計1億3500万円を含む補正予算案を9日に開会する臨時議会に提出する。
水道料金は、基本料金と量水器(メーター)使用料7、8月使用分を減免する。市内で水道を利用している家庭と事業者計約9800件が対象。従量料金や下水道料金は対象外。
現金3000円の配布は全町民約2万4000人が対象。支給日は7月27日を予定する。地区ごとに受取場所を設け、町役場が事前に郵送する申請書と本人確認書類とともに持参し受け取る。町の現金配布はコロナ禍の2020年以来2回目となる。
また、「町出身の町外若者支援!ふるさと便」として、コメ5キロを希望者に送る。対象は親元を離れて町外に暮らす18~25歳。高校3年まで町に住民票があった人で、現在、家族が町内に住んでいることが条件となる。本人や家族がホームページから申請できるようにする。
そのほか、町のウナギ加工施設で7月5日に開く「うなぎ工場還元祭」で、1尾3000円のうなぎを1000円の特別価格で販売。8月の熱中症対策としては同月7、8日に、65歳以上の高齢者、3歳未満の乳幼児、母子手帳の交付を受けた妊婦がいる世帯に町のミネラルウオーター(500ミリリットル)24本を配布する。
いずれもふるさと納税の寄付金を財源に充てる。町は「議決後に速やかに実施したい。町民の負担軽減、不安の解消につながれば」と話している。