【詳報】茨城県内でクマ確認 2016年以来 大子、常陸太田境付近

茨城県は3日、同県大子町と同県常陸太田市の境付近の県県北広域農道(アップルライン)上で2日午後5時ごろ、ツキノワグマが目撃されたと発表した。確認は同市と同県北茨城市で計3件の養蜂の巣箱被害や痕跡があった2016年以来で、大子町などは見回りを強化し、戸締まりなどを心がけるよう呼びかけている。
県環境政策課によると、同県高萩市の住民が付近で車を運転中、小型のクマのような動物が、道路から茂みに逃げる様子をドライブレコーダーで捉えた。同町役場に情報提供された後、県などにも情報共有された。
3日、ドライブレコーダーの映像を専門家が確認した結果、体の特徴や走り方などから子どものツキノワグマとみられることが分かった。猟友会が現場付近で足跡も確認した。
同県日立市かみね動物園の川瀬啓祐獣医師は、一般的なツキノワグマの生態から「基本的に臆病な性格で、餌を求めて出てきた可能性がある」と見解を示した。
同課は今回の目撃について、市町や警察、猟友会など関係者間で情報収集・共有を図るとしている。
県内ではツキノワグマは生息していないとされているが、同町では06年、車にはねられたとみられる子グマの死骸が見つかった。県は今年3月に「ツキノワグマ管理計画」を策定し、生息状況の確認体制整備や被害防止に備えている。