茨城県北茨城市の美容師、大友若菜さん(30)が、地域に根差したライフスタイルの総合拠点を目指し、新たなサービスの提供を始めた。同市内にある自身の美容室に個室ネイルとヘッドスパスペースを増設した上、改築した隣のテナントにカフェを開店。一度にサービスを受けられたり、施術の最中に飲み物を頼めたりするなど相乗効果を生む。大友さんは「北茨城でも最新のトレンドを届けたい」と意気込む。

大友さんは同市出身。東京の専門学校を卒業後、23区内の美容室で5年間勤務した。当初はイタリアへ修業に行く予定だったが、コロナ禍で足踏み。この間、父親の訃報があり、母を心配し、地元に戻った。

こうした中、学生時代にヘアセットのアルバイトをしていた村山写真館(同市関南町里根川)の村山拓行代表(51)に偶然再会。「隣のテナントが空いている」と紹介され、「自分の店を持つのが夢だった」と開業を決意した。

2021年に「kiwi　hair&spa」(同)をオープン。東京で培ったカットやカラー調合技術を提供してきた。25年4月下旬には周囲を気にせず、ゆったりとした時間を過ごせる個室ヘッドスパとネイルスペースを増設。ナノバブルを発生させる最新機器や、色が混ざり合った独特のデザインが特徴の「ニュアンスネイル」などのサービスを取りそろえる。

さらに、5月上旬にはカフェ「niwa　coffee&」を開店。無機質な空間で、サイホンで入れたコーヒーや濃厚なニューヨークチーズケーキなどを提供する。カラーやネイルの待ち時間に自慢の一品を楽しむ客も多いという。

カフェの開業で、同一敷地内には総合美容、写真館、振り袖レンタルの4店がそろった。大友さんは「この場所で一日過ごせる。地域の皆さんにオシャレを気軽に楽しんでほしい」と話した。