クマ目撃で緊急対策 注意看板、小中学生に鈴 常陸太田市、大子町 茨城


茨城県常陸太田市と同県大子町の境付近の県県北広域農道(アップルライン)上で2日、ツキノワグマが目撃されたことを受け、両市町などは4日までに、パトロールや注意看板の設置、小中学生へのクマよけ鈴の配布といった緊急対策を実施した。クマを寄せ付けないように「生ゴミなどの管理徹底を」と住民への呼びかけも行い、地域の安全確保に力を入れている。
市は4日午前、市環境政策課の職員がパトロールと合わせ、ツキノワグマが目撃された地域に注意喚起の看板を設置した。
範囲は国道349号から大子町境までの県北広域農道約2.6キロ区間の周辺。看板は縦約42センチ、横約30センチで、クマの絵と合わせ「DANGER 危険 熊出没注意」と書かれている。
町は3日、目撃現場の山林がある同町生瀬地区の小中学生に町教委が熊よけの鈴を配布した。
同日以降、町や消防、警察の車両によるパトロールも行い、「(目撃したら)近づかない、連絡してほしい」などと呼びかけた。
両市町は住民にクマを寄せ付けない工夫も求めている。町鳥獣被害対策室の鴨志田琢磨室長は「農作物を放置しないなどの対策と、生ゴミの管理などは徹底してほしい」と話す。
市農政課は現場周辺の畜産農家を回り、「農産物や生ごみ、家畜の飼料の管理の徹底」を伝えた。
ツキノワグマが目撃されたのは2日午後5時ごろ。常陸太田市と同県北茨城市で計3件の養蜂の巣箱被害や痕跡があった2016年以来の確認となった。