茨城県内出生 最少の1万3976人 24年 20年間でほぼ半減

2024年に生まれた茨城県内の子どもの数(出生数)は1万3976人で、18年連続で過去最少となったことが4日、厚生労働省の人口動態統計(概数)で分かった。20年前の04年からほぼ半減した。女性1人が生涯に生む子どもの推定人数「合計特殊出生率」も1.16人で最低を更新。出生数が減少する中、県は「広域的な少子化対策が必要」とし、結婚や出産、子育て支援の充実を図る。
出生数は前年の23年に比べて922人減った。20年前の04年からは46.6%減で、ほぼ半減した。合計特殊出生率も前年から0.06ポイント減り、7年連続で過去最低を更新。都道府県別で15番目に低かった。
婚姻件数は9414件で、初めて1万件を割り込んだ前年から76件増。増加は2年ぶりとなった。20年前に比べると40.9%減。平成以降では1万8378件だった00年をピークに減少傾向が続く。平均初婚年齢は男性が23年と同じ31.3歳、女性は0.02歳増の29.8歳で、男女ともに最高齢となり、晩婚化が進む。
県は未婚や晩婚化を少子化要因の一つに位置付け、支援を強めている。結婚を支援する県の「いばらき出会いサポートセンター」は21年度に人工知能(AI)によるマッチングを導入して以降、お見合いや交際件数が急増。成婚は今年4月1日現在、累計で2974組に上る。
県は本年度、保険適用外となる不妊治療の先進医療費に対し、4万円を上限に助成する事業を始めるなど、出産に対する経済的な支援も拡充している。県少子化対策課は「さまざまな年代ごとに、結婚、出産、子育てを広域的に支えていく」と、支援体制の強化を進めている。
このほか、統計では死亡数が前年比1339人増の3万8942人。死亡数が出生数を上回る「自然減」は2261人増の2万4966人となり、06年から18年連続で減少幅が広がった。
県人口は00年の300万2001人をピークに減少傾向にある。県統計課によると、今年4月1日現在の県人口は279万5677人で、1988年10月以来、36年ぶりに280万人を割り込んだ。