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不登校の子との交流描く 日立の大場さん映画製作 私塾のドキュメンタリー 茨城

撮影の舞台となった轍学舎内で映画をPRする大場丈夫さん(左)と轍学舎を主宰する柳田尚久さん=ひたちなか市馬渡
撮影の舞台となった轍学舎内で映画をPRする大場丈夫さん(左)と轍学舎を主宰する柳田尚久さん=ひたちなか市馬渡


茨城県日立市在住で、同市のケーブルテレビ局「JWAY」社員の大場丈夫さん(42)が、私塾に集う不登校の子どもたちと塾長との交流を追ったドキュメンタリー映画「君は君でいい」(80分)を製作した。21日から2週間、同県那珂市のミニシアターで上映される。大場さんは「教育について考えたり、不登校などに悩む子どもの励みになれば」と話している。

映画は昨年12月に都内であった「東京ドキュメンタリー映画祭2024」で上映され、長編部門で入選した。

同県ひたちなか市出身の大場さんは、黒澤明監督の映画に魅了されて日本映画学校(現日本映画大学)で学び、フリーの撮影アシスタントなどを務めた後、2010年にJWAYに入社。制作スタッフとして地域の話題などを撮影する中、仕事とドキュメンタリー映画との親和性を感じ、18年から1人で映画製作を始めた。

3作目の本作は、ひたちなか市馬渡の学習塾「轍学舎」に集う不登校の子どもたちと、小中学校の元教員で同塾を主宰する柳田尚久さん(67)との約1年半にわたる交流を描いた。

大場さんは、前作を撮影していた20年に出会った柳田さんが、教育についてさまざまな問題提起をする姿に関心を持ち、撮影を依頼したという。

22年1月から翌年6月ごろまでの間、仕事休みなどを利用して週に2、3回、塾を訪ね、計80時間以上にわたって撮影した。

大場さんは「空気のようになり、子どもたちの普段通りの様子を撮ることを心がけた」といい、子どもたちと一緒に遊んだり、話をしたりしながら信頼関係を育んだ。

虫は好きだが勉強が嫌いなジュンペイ、友達関係に悩むミヒロら、進学や将来に不安を感じ悩む子どもたちに、柳田さんが笑顔で励ましたり、話を聞きながら一緒に考えたりする。時には子どもたちが心を開くまで見守り続けるなど、双方のリアルなやりとりを記録した。

映画のタイトルは、柳田さんが自身の名刺裏に記し、大切にしている言葉をそのまま使った。映像編集する中で、柳田さんが子どもたち一人一人の考えや行動を肯定し、尊重するシーンが何度もあったのが決め手だった。

柳田さんは「一生懸命生きる子どもたちと向き合い、後押しするのが私の仕事。悩みながらも前に一歩ずつ踏み出す力強さを感じてほしい」と期待する。

茨城県での本作上映は初めて。21日から7月4日まで、那珂市瓜連のミニシアター「あまや座」で上映される予定。水曜定休。

大場さんは「子育て中の親や教育関係者、不登校で悩む子どもをはじめ多くの人に見てもらい、何か今後の生きるヒントになれば」と思いを語った。



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