茨城県内景気据え置き 6月 日銀水戸「緩やか回復」
日銀水戸事務所は6日に発表した6月の金融経済概況で、茨城県内景気は「一部に弱めの動きも見られるが、緩やかに回復している」として、総括判断を据え置いた。物価上昇が続く中、個人消費と設備投資を中心とした回復がけん引した。
個人消費は百貨店・スーパー販売額(4月)が前年を上回った。節約志向が見られるが、底堅く推移した。乗用車新車登録台数(5月)は、全体で5カ月連続で前年を上回り「持ち直し」基調となった。
設備投資は3月企業短期経済観測調査結果(短観)では2024年度は前年度を上回る見込みで、25年度も前年を上回る計画となり、生産能力増強など前向きな投資計画が広く見られる。企業の生産活動は、海外経済減速の影響などから弱い状況が続いているが「横ばい」の動き。
雇用・所得環境は改善している。3月の1人平均所定外労働時間が前年を下回った一方で、1人平均現金給与総額と常用労働者数はともに前年を上回った。
今後について、稲見征史所長は「物価高の影響から、消費マインドが慎重化することがないか注意してみていく。通商政策の影響も注視したい」と述べた。