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紅テント 水戸芸術館で13年ぶり公演 唐十郎さん一周忌 14日から 茨城

13年ぶりに水戸に設営された紅テントを前に取材に応じる久保井研さん=水戸市五軒町の水戸芸術館広場
13年ぶりに水戸に設営された紅テントを前に取材に応じる久保井研さん=水戸市五軒町の水戸芸術館広場


アングラ演劇の旗手として活躍した劇作家で演出家、俳優の唐十郎さんが亡くなって1年。水戸芸術館(茨城県水戸市五軒町)は14、15日、唐さんが率いた劇団唐組の紅(あか)テント公演を、13年ぶりに同館広場で上演する。劇団の座長代行と演出を務める久保井研さん(62)は12日、取材陣に答え、「唐さんへの追悼の思いはない。きっと近くで見守ってくれている。しっかりやります」と抱負を語った。

1960~70年代、唐さんはアンダーグラウンドカルチャーの先導者として活躍。神社境内や公園、河川敷に建てた紅テントで繰り広げられる劇世界は、現代演劇に大きな衝撃と影響を与えた。同館では、95年に初めて唐組紅テント公演を開催。東日本大震災の影響で中止となった2011年を除き、12年まで毎年春に公演を行った。

唐さんは直後の同年5月、転倒して頭を打ち、その後は療養生活を送る。21年に文化功労者の栄誉に輝くが、昨年5月に病により84歳で旅立った。

今作「紙芝居の絵の町で」は、06年に初演。同館でも上演された。使い捨てコンタクトレンズのセールスマンが紙芝居の絵の謎を解くため、あるアパートを訪ねる。紙芝居の絵師をはじめ、住人たちの妄想と現実が、紙芝居の中に入り込んでいくような形で絡み合う様を描く。

久保井さんは、唐さんとの35年の付き合いを踏まえ、「豪快に観客を引き込み、現代を予見する力も備えていた」と回想。「唐さんの戯曲ではあるが、自分の解釈で演出したい」と今作への意欲を語った。

また、戯曲執筆から公演初日にこぎ着けるまでの唐十郎と唐組を追ったドキュメンタリー映画「シアトリカル 唐十郎と劇団唐組の記録」(07年製作)も同時上映する。公演「紙芝居の絵の町で」は両日とも午後7時開演。映画「シアトリカル」は同午後3時開演。チケットは同館(電)029(225)3555。



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