銅線窃盗 球場標的に 茨城・福島両県、短期間で4件
茨城、福島両県の市民球場などで短期間に、ナイター用の照明設備に電気を送るための銅線ケーブルの窃盗が相次いでいる。茨城県水戸市と福島県白河市、同県本宮市の3市で4件の被害が確認され、被害額は少なくとも計1000万円以上。夏の高校野球県大会の開催球場もあり、関係者が対応に追われている。茨城県警は一連の事件の関連性も含め、調べている。
水戸市では5月28日、同市内原町の内原市民運動場の多目的運動場で、ナイター用の照明設備に電気を送る銅線ケーブル2本(計約350メートル)が盗まれたことが発覚。影響で照明2基が使用不能になった。
同30日には夏の高校野球県大会の会場となる同市見川町の市民球場「ノーブルホームスタジアム水戸」で、照明設備に電気を送る銅線ケーブル1本約80メートルが盗まれていたのが分かった。影響で照明1基が使えなくなっていた。
茨城県と隣接する福島県では同23日から被害が確認された。白河市では同日、「しらさかの森スポーツ公園」で照明に送電する銅線ケーブル120メートルが持ち去られているのが判明。影響で野球場1基とテニスコート24基の照明が使用不能になった。
同29日には本宮市の「しらさわグリーンパーク」で、未明に公園内の9カ所で銅線が切断され、持ち去られた。野球場をぐるりと囲うナイター照明への送電ケーブルが切断され、470メートル分が盗まれた。市担当者によると、近くの防犯カメラに不審な車両のヘッドライトが写っていた。
いずれの現場もケーブルは地中に埋設され、地上に管理用のマンホールがあったほか、夜間の常駐の監視者はいなかった。広大な公園内にある現場がほとんどで、複数の自治体関係者は「防犯カメラを園内全域に設置するのは予算の関係で難しい」と悩む。
ノーブルホームスタジアム水戸では6月3日、復旧工事が完了した。市スポーツ振興協会によると、費用は約100万円。対策としてマンホールに鍵を取り付けた。同協会担当者は「高校野球が迫る中、ナイターができないとなれば迷惑をかける。工事が完了し一安心」と胸をなで下ろす一方、「一刻も早く犯人を捕まえてほしい」と願った。
■茨城・守谷でも被害 1000万円相当
常総地方広域市町村圏事務組合は13日、茨城県守谷市野木崎の常総運動公園野球場で、ナイター照明設備に電気を送るための銅線ケーブル計約900メートル(約1000万円相当)が盗まれたと発表した。影響で同設備全6基が使用できず、当面ナイター利用はできないという。
同組合施設課によると、指定管理者が12日、ナイター照明の電気配線用のマンホールふたが開いた状態で、地下にあった約300メートルの銅線ケーブル計3本が切り取られているのを確認した。同日午前6時20分に同管理者が公園駐車場の解錠に向かい、既にいた来園者に確認すると同5時半には門扉が開いていたため、不審に思い公園内を念入りに巡回し被害に気付いた。
同組合は同日、県警取手署に被害届を提出。「水戸市内で同様の被害があり施錠確認の徹底をしていたが、残念な結果となった。対策強化に努める」としている。











