高校生、参考書リユース 茨城高生、水戸市と協力 回収箱設置、8月に譲渡会


茨城県水戸市八幡町の茨城高の生徒が、市と協力して不要な参考書を集め、必要とする生徒や受験生らに譲り渡すリユース活動「参考書バンク」に乗り出した。手持ちの参考書を寄付できる回収箱を、校内を手始めに、市役所(同市中央)と市民会館(同市泉町)にも設置した。8月24日には参考書の譲渡会を、JR水戸駅南口デッキを会場とした「水戸ティーンズフェスティバル」で開催する。企画した生徒は「学生の経済的な負担を減らしたい」と広がりを願う。
仕掛け人は、同校国際教養コース1、3年の生徒9人のチーム。自治体などと社会課題解決の糸口を探る授業の中で、貧困による教育格差や環境保護に関心を持った。
同世代の若者がこうした問題を「自分ごと」として捉え、すぐ実践できる行動はないか-。話し合いの末、進級や受験のたびに買いそろえる高額な参考書について再利用する仕組みを設けようという結論に達した。
5月、校内に参考書の回収箱を設置し、1カ月あまりで目標の500冊に対して100冊ほど集まった。内容は入試の過去問や各教科の解説書、検定のテキストなどさまざまという。浅野和奏さん(17)=3年=は「高い参考書も多い。誰もが好きなように学べる手助けになればうれしい」と狙いを話す。
さらにリユースの輪を市内へ広げようと、2月に市と市民団体が協働で取り組む「わくわくプロジェクト」で提案し、本年度の協働事業として採択された。担当課の助言や経費の補助を受け、今月3日、市役所1階エントランスと市民会館3階ミーティングスペースの計2カ所に回収箱を設置した。縦長の白い箱が目印で、生徒らが定期的に回収する。藤田渚央さん(17)=同=は「他の学校や図書館、塾にも設置を呼びかけ、捨てられる参考書を減らしたい」と先を見据える。
参考書の種類や学年は問わない。書き込みが激しいもの、解答書がないものなどは除く。詳しくはバンクのホームページ=QRコード。