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ニュートリノ検出器公開 KEK 茨城から岐阜に発射 研究進展に期待

報道陣に公開されたニュートリノの巨大な検出器=東海村白方
報道陣に公開されたニュートリノの巨大な検出器=東海村白方


素粒子ニュートリノを観測する次世代装置「ハイパーカミオカンデ」(岐阜県飛騨市)の建設が進む中、高エネルギー加速器研究機構(KEK)などは16日、茨城県東海村白方の大強度陽子加速器施設「J-PARC」で、人工的に生成したニュートリノの性質を調べる検出器などを報道陣に公開した。

同所では295キロ離れた現在の観測装置「スーパーカミオカンデ」(同)にニュートリノを発射する「T2K実験」を行っている。

ハイパーカミオカンデに加えて、J-PARCについてもビーム強度や検出器の増強などを進め、2028年度の実験開始を目指している。

この日はKEK素粒子原子核研究所の坂下健教授がこれまでの研究成果や現状を紹介。各施設の整備が完了すれば、ハイパーカミオカンデの実験でニュートリノの観測数は現在の10倍以上に増え、さらなる研究進展が期待できるとした。

施設見学では、深さ33.5メートル、直径17.5メートルの地下実験ホールに設置された検出器が公開された。ニュートリノビームのエネルギー分布や安定性、方向などを測定する。

ニュートリノは加速器を使って陽子を光速とほぼ同じ速度まで加速し、炭素のグラファイト(黒鉛)に衝突させて発生させる。透過性が非常に高い性質がある。研究によって、宇宙の成り立ちについての知見を深めることができるという。J-PARCセンターの小林隆センター長は「最も重要なプロジェクトの一つとして、しっかり準備したい」と意気込みを示した。



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