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J2水戸 昇格視界に 前半戦2位ターン ファン期待じわり

14日の鳥栖戦に勝利し、クラブ記録の7連勝を遂げて、笑顔を見せるJ2水戸ホーリーホックの選手ら=水戸市小吹町のケーズデンキスタジアム水戸
14日の鳥栖戦に勝利し、クラブ記録の7連勝を遂げて、笑顔を見せるJ2水戸ホーリーホックの選手ら=水戸市小吹町のケーズデンキスタジアム水戸


サッカーJ2水戸ホーリーホックが2位でリーグ前半戦を折り返した。かつてない躍進ぶりに、悲願のJ1昇格に向け、サポーターらの期待が膨らむ。

水戸は前半戦11勝5分け3敗、勝ち点38で首位と並び、得失点差で2位。リーグ規定で、年間順位2位までが自動で昇格、同3~6位によるプレーオフで優勝したクラブも昇格する。

水戸が悲願を達成するには最低でも6位以内に入る必要があるが、過去の最高順位は7位。プレーオフ圏に入ったことはない。若手主体の「育成の水戸」と評され、例年、10位前後の中位が定位置とされてきた。

ところが、今季は様相が異なる。14日のリーグ前半最終戦でクラブ記録の7連勝を遂げるなど好調著しい。いまだ連敗はなく、ホーム戦負けなし。本拠地ケーズデンキスタジアム水戸がある茨城県水戸市内でも期待がじわり高まっている。

「半分残っているので浮かれそうな気持ちを抑えている。それでも抑えきれなくて、ふつふつとうれしい気持ちが湧いてくる」

同市五軒町の飲食店「レストラン マロン」店主の大塚巌さん(51)はクラブ創設以来のファン。「試合を思い出してはニヤニヤしてしまう」と楽しくて仕方がない様子だ。

「サッカーに興味がなかったような人にも『ちょっと今回はいいんじゃないの』と声をかけられる。最初で最後のチャンスかもしれない。このいいチームのままで戦ってほしい」

市内に住む落合悦子さん(50)も「市民として誇りに思う。頑張ってほしい」と笑顔。「昇格がかかる試合は久しぶりに生で観戦してみたい」とわくわくが隠せない。

好調の要因は何か。今季の特徴は新戦力16人のうち6人が25歳以上の中堅選手。強化責任者の西村卓朗GM(47)が開幕前に「巻き返すには、若い力とともに経験値を持った選手の力が必要」と話した通り、中堅が期待に応えている。

とりわけFW渡辺新太やDF飯田貴敬らJ1プレー経験がある選手が活躍。DF板倉健太選手ら大卒ルーキーの成長も著しい。森直樹監督(47)の選手に目の前の1戦に集中させるマネジメントも光る。

新スタジアム問題で溝が埋まらない市も好調ぶりに注目している。

市とクラブは2019年までケーズスタをJ1基準に拡張する方針が共有されていた。ところが同年、クラブが民設民営の新スタジアム構想を発表。突然の転換以来、溝ができた。市幹部や職員、市議からは、クラブ側の急な発信に戸惑う声が根強い。

ある市議は「地元のプロスポーツチームであることに立ち返ってほしい。数多くの人たちに支えられてきたことを思い出してほしい」とクラブ側に注文を付ける。

水戸が市民らサポーターの期待に応え、好調ぶりを維持できるか。勝負の後半戦は21日から始まる。



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