サッカー・J1鹿島アントラーズFCは、歯科医療技術の事業などを手がけるSCOグループ(東京都千代田区)と協働で、茨城県つくば市内に歯科専門の「アントラーズオーラルケアクリニック」を開院することが18日までに分かった。両社が昨年12月に打ち出していた共同施策「オーラルケアプロジェクト」の取り組みの一環。Jリーグクラブが歯科クリニックを開院するのは日本初で、鹿島FCの小泉文明社長は「多面的に地域の方々に貢献できるのでは」と期待を寄せる。

鹿島FCは2015年、整形外科専門の「アントラーズスポーツクリニック」を県立カシマサッカースタジアムの敷地内に開設し、医療分野に進出。開設から10年が経過し、地域住民の健康サポートをさらに拡充すべく、医療分野事業の拡大を図った。小泉社長は「スポーツクリニックは地域の方々の生活にすごくなじんでいるという認識がある」と強調した上で、「スポーツの力を通じて、医療分野でも地域を支えることができるのは自分たちの強み。今後も医療分野を強化したい」と話した。

つくば市吾妻に設ける歯科クリニックは、7月4日の開院を予定している。虫歯など疾患治療に加え、口腔(こうくう)内の病気を未然に防ぐ「予防歯科」の医療に力を入れる方針という。主運営は、鹿島FCのトップチームの口腔ケア専門医に就任予定の歯科医師が務める。鹿島FCとSCOグループは直接運営には関わらないが、主治医との連携などは行う。診察日は月-土曜の午前10時～午後2時、同3～7時。

今後は事業の拡大を図り、鹿島FCのホームタウンやフレンドリータウンでの歯科クリニック開院も目指していく。アントラーズスポーツクリニックと連携した共同研究も行う方針という。SCOグループの藤本公浩社長は「アスリートから一般の方まで、誰でも幅広く利用してもらえるクリニックを目指す。多くの方に利用していただきたい」と呼びかける。