茨城・坂東市汚職 2021年度以降、贈賄側業者の受注大幅増 逮捕の市職員、異動機に関係深めたか 県警、癒着の実態捜査
茨城県坂東市が発注する下水道工事の随意契約を巡る汚職事件で、収賄容疑で逮捕された市職員の男(52)が下水道課に異動となった2021年度以降、賄賂を贈ったとされる水道業者の市からの受注額や件数が大幅に増えていたことが17日、捜査関係者への取材で分かった。県警は男が同時期以降に業者との関係を深めていったとみて、癒着の実態を調べる。
男は下水道課工務係主査だった23年6月から24年12月ごろ、市が随意契約で発注する下水道工事を市内の特定の業者が受注できるよう、事前に設計金額や見積もり合わせに参加する会社などの情報を業者側に提供。見返りに現金や中古車など、時価計27万2100円相当を受け取った疑いがある。
男は10年に採用され、17年まで下水道課に在籍。道路課を経て21年春から再び下水道課の勤務となり、工事の設計や施工監督などの業務を担っていた。贈賄側の市内業者の受注実績は、男が古巣の同課に復帰した時期を境に大幅に増加し、21年度以降は高い水準で推移していた。
両者は、男の入庁後間もない時期から仕事上の付き合いがあったという。下水道課内には工事などの専門技術に精通した職員が少なく、技官でベテラン職員だった男は実質的に1人で契約金額などを決める立場にあった。
同日、県警は収賄の疑いで男を水戸地検に送致した。同日午前7時ごろ、グレーのポロシャツにマスク姿の男は、留置先の境署で、警察官の背後で腰を深く折り曲げ移送車両に乗り込んだ。
県警は贈賄側の業者からも任意で事情を聞いている。