常陸牛 輸出量最多52トン 24年度 安定供給、店舗拡大が奏功 茨城

茨城県銘柄牛「常陸牛」の関係団体で組織する県常陸牛振興協会(会長・大和田晃JA全農いばらき県本部長)は18日、2024年度の常陸牛輸出量が前年度比2.7倍の約52.1トンと、過去最高となったと発表した。東南アジアや米国、カナダへの安定供給と店舗拡大を図ったことが奏功した。
国内外を含めた全体の販売頭数は同7.3%増の1万1908頭で、5年連続1万頭を突破した。常陸牛新ブランド「煌(きらめき)」の認定頭数は199頭(24年4月~25年3月)だった。高級スーパーや県内のホテルなどで需要が高まっている。
輸出国はフィリピンや台湾など計9カ国。輸出量のうち、タイが約39.7トンと全体の7割を占めた。一方でベトナム向けは伸び悩んだ。
海外販売推奨店は、同5店舗増加の55店舗(ベトナム23、タイ15、米国2、シンガポール4、フィリピン11)。国内外の指定店と推奨店は計657店舗となった。
本年度の輸出目標は60トンとした。ベトナムやシンガポール向け輸出ルートの再構築を図るほか、イスラム教の戒律に従った製品であることを示す「ハラル認証」を取得した常陸牛のイスラム圏への輸出に取り組む。
同日、同県茨城町下土師のJA全農県本部で開かれた総会で、常陸牛の認定要領を一部変更し、出荷月齢の下限を27カ月とすることなどを可決した。販売頭数が順調に増加する中、さらなる品質向上に取り組む。大和田会長は「世界の常陸牛を目指す」と語った。