学苑祭、IT技術を駆使 電子決済やドローン空撮 水戸一高・付属中 21、22日 茨城

茨城県立水戸一高・付属中(同県水戸市三の丸、御厩祐司校長)の「第77回学苑祭」が21、22日の両日、一般公開される。キャッシュレス決済、ドローン撮影、生徒向けポータルサイト開発など新たな取り組みがめじろ押し。「不便のない快適な学苑祭」をコンセプトに、同実行委員会を中心に約1年かけて練り上げてきた。本番に向け、同実行委は「心ゆくまで楽しんで」と来場を呼びかけている。
今回のテーマは「Magic(マジック)」で、一人一人に「秘められた魅力があふれている」との意味を込めた。一般参加も可能で、喫茶やステージ発表、創作展示、各種アトラクションなど各クラスや部活動が「マジック」のテーマに沿い、趣向を凝らした50以上の出し物をそろえた。
昨年の学苑祭終了後に検討委員会を設置し、今年の学苑祭に向けて始動。今年4月に同実行委に移行して準備を本格化させた。
実行委員長の谷中彩樹さん(3年)は「学苑祭に関わる人が感じるマイナス部分を取り除き、プラスに変えることを目指した」とし、キャッシュレス決済に目を付けた。発案者でIT係の浅沼琉音さん(2年)は「キャッシュレス化が進んでいることに加え、現金管理や清算の手間などの課題解消が狙い」と説明。初期投資やシステムトラブルを懸念する声もあったが、何度もプレゼンを重ね、実現にこぎ着けたという。
クレジットカードをはじめ、スイカなど交通系電子マネー、ペイペイなどスマホ決済まで計20種以上の決済手段に対応。同実行委が運営する模擬店や学苑祭オリジナルグッズ販売など一部企画で使用できる。
また、開閉会式で披露する恒例のショートドラマ制作でドローンを使った空撮に初挑戦。ドローンが趣味という企画援助係の浅川大智さん(3年)が「いつもと違う映像を撮りたい」と名乗り出た。「人物の動きに合わせて操作、撮影するのは難しかった」とするも「仕上がりは上々」と手応えは十分だ。
生徒向けのポータルサイトも新設した。情報の集約・共有や備品管理のほか、暗幕の張り方などマニュアル動画を制作し「生徒たちがスムーズに準備できる仕組みづくり」にも励んだ。
約1年の準備期間を経ていよいよ本番間近。「一人一人の個性と才能がピタリとはまった学苑祭。実行委員として関われたことに感謝して本番を迎えたい」と副委員長の小原幹玖郎さん(同)。浅川さんは「ずっと思い出が薄れないくらい濃いものに」、浅沼さんも「最高のおもてなしを」と決意。谷中委員長は「今しかできない貴重な経験ができた。みんなで絶対に成功させ、次につないでいける学苑祭にしたい」と意気込んでいる。
21日は午前11時~午後4時半(最終入場同4時)、22日は午前9時~午後1時(同0時半まで)。