参院選まで1カ月 茨城選挙区 現新8氏の争いへ 2議席巡り前哨戦

7月20日が有力視される参院選の投開票まで、あと1カ月に迫った。茨城選挙区(改選数2)は19日までに、現新8氏が立候補を表明。自民と立憲民主の両党が分け合う「指定席」を堅持するか、新たな勢力が割って入るかが注目される。各陣営は7月3日の公示を見据え、足場固めや知名度向上など前哨戦を繰り広げている。
現職で立候補を表明しているのは、3選を狙う自民の上月良祐氏(62)、2回目の当選を目指す立民の小沼巧氏(39)2氏。新人では、日本維新の会の北崎瀬里奈氏(35)、共産の高橋誠一郎氏(30)、参政の桜井祥子氏(41)、政治団体「NHK党」の酒井明男氏(49)、政治団体「日本改革党」の石井憲一郎氏(58)、無所属の牧山康志氏(64)の6氏。
上月氏は公認を受ける自民党県連の「50万票以上」を目標に、党地域支部などを巡り足場を固める。水戸市内で14日に開かれた県連青年局の大会で「日本が世界で存在感ある国になり、茨城が大切な役割を果たせるよう力を合わせて頑張りたい」と意気込んだ。
小沼氏は政府の物価高対策などが不十分とし、「ごじゃっぺな政治をただす」と茨城弁のスローガンで支持を訴える。5月には推薦を受ける連合茨城主催の総決起集会で、立民県連や候補者擁立を見送った国民民主党県連幹部とともに旧民主系の議席維持を誓った。
北崎氏は社会保険料の国民負担軽減や教育環境の充実、議員報酬カットなどの「身を切る改革」実現を訴える。7日には維新の前原誠司共同代表が水戸に入り「企業団体献金の禁止や教育無償化を実行してきた」と実績を強調した。
高橋氏は昨年の衆院選茨城1区の挑戦に続き出馬。「若い力」をアピールし、若年世代への支持拡大へ、SNS(交流サイト)を通し発信する。原発ゼロや消費税減税などを掲げ、「暮らしを守り、生活を支える政治」の実現を訴える。
桜井氏は東京都出身、茨城県龍ケ崎市在住。14日に同県つくば市内に事務所を設け、支持者らを前に「思いを背負って戦っていきたい」と意気込みを語った。週末は県南地域を中心に街頭演説を重ね、SNSを活用した知名度向上にも力を入れる。
酒井氏は栃木県宇都宮市在住。東日本大震災時にトラック運転手として緊急支援物資を運んでいた際、メディアによる偏向報道があったと批判し、「公共放送の役割や受信料制度を有権者に伝える」と、抜本的な見直しを訴える。
石井氏は2023年の水戸市議選に続き立候補。国政選挙は初の挑戦。消費者の手取りを増やすとして、消費税や外国人の生活保護支給の廃止を主張。憲法9条についても「国防に当たる自衛隊の活動の妨げになる」と、廃止を訴える。
■牧山氏が出馬表明
牧山康志氏は19日、県庁で記者会見し、無所属で立候補すると表明した。選挙は初めて。5月に政治団体を立ち上げた。国債が増え続ける現状や低い食料自給率の問題などを上げ、「多くの国民が政治に参画する仕組みを作りたい」と話した。