茂宮かぼちゃ出荷開始 例年並み8~9トン見込む 茨城・日立

茨城県日立市茂宮地区の特産物「茂宮かぼちゃ」の出荷が20日、始まった。後継者育成の一環で始めた「かぼちゃ塾」の卒業生が今年から初めて出荷。春先に降雨の影響を受けたが、例年並みの8~9トンの出荷を見込む。初売りには多くの消費者が集まり、買い求めていた。出荷は7月上旬まで。
JA常陸みなみ支店(同市大和田町)の特設会場には、生産者から約400個のカボチャが持ち寄られ、午前9時の販売開始前から買い物客の行列ができた。同市の東多賀町、佐藤絹子さん(80)はギフト用と自宅用に購入し、「毎年初日に来て、東京の親戚に贈っている。栗のような甘さがおいしいと喜ばれる。煮物で食べるのが楽しみ」と語った。
茂宮かぼちゃは1980年ごろから栽培を開始。市の地域ブランド認定品になっている。現在は29人が4ヘクタールで生産。市と生産者らは後継者育成として2023年にかぼちゃ塾を開き、塾の卒業生が今年ブランド認定を受けた。
脱サラして取り組む卒業生の鈴木希道さん(42)は「収穫までこられてうれしい。今後も栽培を増やしていきたい」と笑顔を見せた。茂宮特産物研究会の大貫一明会長(68)は「若手が増えてきたので、人気のブランドを維持し、広げていければ」と期待した。