鉾田PFAS最大26倍 井戸で新たに18カ所 茨城県と市発表

茨城県と鉾田市は20日、有機フッ素化合物「PFAS」のうち、発がん性が指摘される代表物質「PFOS」「PFOA」の合算値が新たに同市内の井戸18カ所で国の暫定目標値を超えたと発表した。このうち1カ所は水1リットル当たり1300ナノグラムで目標値の26倍。健康被害は確認されていない。県と市は引き続き、物質の広がり状況の把握や原因究明を進める。
国の暫定目標値は水1リットル当たり50ナノグラム。県環境対策課によると、今回超過した井戸があるのは11地区。地区ごとの最大値は、樅山地区1300ナノグラム▽鹿田地区590ナノグラム▽舟木地区490ナノグラム▽飯名地区430ナノグラム▽鳥栖地区420ナノグラム-などだった。5月14、15日に採水し外部機関に分析を委託していた。
昨年12月に採取した同市の飲用井戸から国の基準を超えたPFASが検出されて以来、水質調査は5回目。今回は飲用井戸30カ所を対象とした。
県と市は目標値を超えた18カ所の井戸に関し、設置世帯に水道への切り替えなど飲用指導を実施。半径約500メートル以内にある計739世帯に対して個別訪問を行い、井戸水の飲用を控えるよう呼びかけている。