公明・山口氏 政界引退 議員35年 「片時もふるさと忘れず」 茨城・ひたちなか市出身

公明党元代表の山口那津男参院議員(72)=東京選挙区=は20日の党会合で、7月の参院選に立候補せず、政界を引退すると表明した。山口氏は茨城県ひたちなか市出身。茨城新聞の取材に応じ、党代表などとして活躍した35年の議員生活を振り返った。
山口氏は代表を昨年退任した時点で政界引退を決めていたといい、「(党の)定年制の例外を長く続けるのではなく、後進の道を開く役割を担おうと自ら決断した」と明かした。
山口氏は茨城大付属中、県立水戸一高卒。東大法学部などを経て、1990年の衆院選で旧東京10区から初当選。96年の衆院選で落選したが、2001年の参院選で復帰した。2009年に党代表に就任した。
党代表として尽力したことに、社会保障と税の一体改革と安全保障関連法制を挙げた。社会保障と税の一体改革は「経済を殺さないように消費税率を2段階で引き上げ、軽減税率を導入し、幼児教育の無償化を実現した」と回顧。安全保障関連法制は「海外で自衛隊に武力を使わせないという歯止めをつくった上で、自衛隊が役目を果たすことが大切だった」とした。
いずれも第2次安倍政権で成し遂げており、政権与党が安定して課題に取り組む重要性を強調した。
茨城県について「片時もふるさとを忘れなかった。茨城県出身であることを誇りにしながら、議員生活を営んできた」と柔和な表情を浮かべた。今後は中高時代の同窓生や議員仲間とのつながりを生かし、「私なりにふるさとに寄与できる道を模索したい」と語った。
20日午後の参院本会議場では、多くの議員にねぎらいの声をかけられ、握手を求められた。
■市民の声聞き 国政に届けた 高崎公明党茨城県本部代表代行
公明党の山口那津男元代表の政界引退表明を受け、党茨城県本部の高崎進代表代行は「出身地の茨城県を含めた市民の声に耳を傾け、国政に届けてくれた」と実績をたたえ、「これからも豊富な人脈と政治経験を党勢拡大と茨城県の発展に生かしてほしい」と述べた。
東日本大震災や関東・東北豪雨では、計画停電の被災地外しや収穫後のコメ農家の支援などに尽力したという。高崎代表代行は「政界を引退しても、党の常任顧問の役職はそのまま。今後も茨城県の発展の後押しをしてもらえたら」と期待した。