《みと・まち・情報館便り》高次脳機能障害支援へ歌 理解促進へ28日ライブ 当事者と介護者、力合わせ

高次脳機能障害の当事者と現役の介護福祉士、それぞれの立場でギターを手に応援ソングを歌い続ける2人のシンガーソングライターによる「ササエル」とは何かを問うトーク&ライブが28日午後1時から、茨城県水戸市南町2丁目の水戸証券ビル1階ホールで開かれる。主催は茨城新聞みと・まち・情報館。
2人は同市出身の藤井ケイイチさん(45)と同市内の福祉施設に勤務する藤良多さん(39)。働きながら音楽活動を続けている。ジョイントライブは約10年ぶりという。
藤井さんは中学2年のころに作曲を始め、駅でギターの弾き語りなどをしていた。高校から音楽家を目指し上京。動画投稿サイトに自作曲を発表するなどして、活動の幅を広げた。
2016年春、水戸市の県民文化センターで初の単独コンサートに臨む直前、交通事故に遭い、生死をさまよった。高次脳機能障害と診断され、医師から「社会復帰は困難」と言われたが、2年後の18年夏、音楽仲間とともに県民文化センターでのコンサートを実現した。
「曲は全て忘れてしまっていたが、過去の動画投稿を何度も見返して、少しずつ思い出し、覚え直していった」と振り返る。
藤さんが藤井さんと出会ったのは17年前のアルバイト先。音楽の話題でつながり、事故前の藤井さんとジョイントライブを行ったこともあった。
藤さんは東日本大震災後、「人のために生きたい」と介護福祉士の資格を取得。介護職と〝二刀流〟で、聴く人たちに勇気を与える歌を届け続けている。4月には自身初企画の音楽フェスを水戸市民会館で開いた。
「たとえ困難があっても、関係者と互いに支え合いながら、やりたいことを続けてきた2人」(藤さん)。藤井さんは「胸キュンソングを届けたい」と意気込む。高次脳機能障害への理解も広く呼びかける。
入場無料。予約不要。問い合わせは、みと・まち・情報館(電)029(306)9500(平日午前10時~午後5時)。