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ローラーダービーW杯へ 龍ケ崎育ちの菊池さん けが乗り越え代表入り 茨城

ローラーダービーの試合でトラックを滑走する菊池梨恵さん(本人提供)
ローラーダービーの試合でトラックを滑走する菊池梨恵さん(本人提供)
自身が選出されたW杯日本代表の名簿を示す菊池梨恵さん=取手市内
自身が選出されたW杯日本代表の名簿を示す菊池梨恵さん=取手市内


ローラースケートを履いた選手たちがトラックを回り得点を競い合うスポーツ「ローラーダービー」。7月にオーストリアで開かれるワールドカップ(W杯)で、茨城県龍ケ崎市育ちの菊池梨恵さん(45)=千葉県在住=が日本代表に選出された。体格や年齢に関係なく誰もが活躍するチャンスがあるスポーツで、競技歴9年での大舞台。「何かに夢中になることの良さを伝えたい」と語る。

ローラーダービーは2000年代初頭に米国で誕生し、日本には10年、神奈川県の横須賀米海軍基地に上陸。世界的に普及が進むが、日本では認知度が低く、競技人口も数百人程度だ。

5対5のチーム戦で、競技用の四輪ローラースケートを履いた選手が平面トラックを半時計回りに滑走。各チームで1人は、相手チームを追い抜いた人数が得点となる「ジャマー」、他4人は得点を阻止する「ブロッカー」を担う。

追い抜きを防ぐため、激しくぶつかり合うのが特徴。菊池さんは「仲間と協力するスポーツ」と強調する

■誰もが活躍

菊池さんは東京都生まれ。小学3年時に龍ケ崎市へ引っ越し、学生時代を過ごした。競技に出合ったのは16年ごろ。都内のダンス学校で練習会の参加募集の張り紙を目にし「ローラースケートが好きで、走るスポーツにも興味があった」と飛び込んだ。

この9年間、ダンサーや保育士、介護士などの仕事をする傍ら、同基地や都内で開催される練習会や試合に参加し腕を磨いた。

走ることが好きで、スピードが強みでもあることから、試合中の呼び名はRUN(ラン)。ジャマーとブロッカーの両方を経験してきた。ダンサーで培った足さばきも生かされている。

過去に米国で愛好家が集まって試合をするイベントに参加し「いろいろな年代の人がいた」。年齢を問わず、誰もが活躍できるスポーツと感じたという。

■応援が原動力

7月3~6日にはオーストリアでW杯が開催され、49カ国が参加する。昨年秋には日本代表の選考会があった。菊池さんは同年5月から2カ月間、脊椎の炎症で入院をしていたが、出場のチャンスを逃さないよう気持ちを奮い立たせ、完治させた。

選考の結果、代表20人の枠に選ばれた。選出の知らせに「うれしさとほっとした気持ちで涙が出た」。現在は本番に向けて週3~4回の練習を行い、筋力強化にも取り組む。

原動力は周囲からの応援。「『見ていると頑張ろうと思える』と言ってくれる友達がいる」。友人が働く美容室オーナーはスポンサーに名乗り出てくれた。

W杯まであとわずか。「チームスポーツの楽しさが伝われば」。大舞台で躍動する姿を思い描いている。

★ローラーダービー

2チームがローラースケートで平面トラックを周回しながら行うフルコンタクトスポーツ。前半と後半の各30分間に、「ジャム」と呼ばれる最大2分間の一区切りを繰り返す。競技は1930年ごろの米国に起源を持つとされる。



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