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飼いネコ SFTS感染 茨城県内、マダニ媒介 関東で初確認

SFTSなどのウイルスを媒介するマダニの一種「タカサゴキララマダニ」(県提供)
SFTSなどのウイルスを媒介するマダニの一種「タカサゴキララマダニ」(県提供)


マダニがウイルスを媒介する人獣共通感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」を茨城県内の飼いネコが発症した。県が23日、明らかにした。関東の自治体によるペットの感染確認は初めて。ヒトの感染は確認されていない。SFTSにヒトが感染した場合、国内の致死率は27%とされるが、県は「基本的な対策で感染リスクを下げられる」として冷静な対応を呼びかけている。

県生活衛生課によると、感染が確認されたのは室内飼いの1歳の雌のネコ。4月下旬、一時的に屋外へ逃げ、戻った際に多数のダニが耳に付着していた。

ダニは動物病院で取り除かれたが、ネコは5月9日に高熱や嘔吐(おうと)などの症状が見られた。動物病院が同12日、県に連絡し、県衛生研究所で検査した結果、陽性が判明した。ネコは同日死んだ。

動物のSFTSの感染報告は西日本が中心だが、近年は中部地方でも確認され、範囲が拡大している。これを受け、県は県獣医師会を通して、疑われる症状が出た際の検体の提供を獣医師らに要請。3月から検査を始めた。今回を除き、これまでにネコ5匹とイヌ2匹を検査したが、いずれも陰性だった。

基本的な感染防止策は、口移しでの餌やりを避け、定期的に予防薬を投与する。ネコは室内飼いし、散歩などで外出した後は手袋を着用してブラッシングする。ダニを見つけた際はテープ粘着部で取り除き、取れない場合は速やかに動物病院に連れて行く。

県は感染症情報センターのホームページで、ダニが媒介する感染症について注意喚起。同課は「まずは直接かまれないようにするのが大事」とし、屋外活動時は長袖や長ズボンを着用して肌の露出を少なくするようアドバイスしている。

★重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

ダニが媒介する感染症の一つ。SFTSウイルスを保有するマダニにかまれるなどで感染。主な症状は発熱や吐き気、下痢など。有効な治療法はなく、重症化して死亡する場合もある。国立健康危機管理研究機構の研究によると、日本の致死率は27%。ネコやイヌからの感染もまれにあり、2024年には人から人への感染が確認された。



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