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渡良瀬遊水地、イノシシ急増 24年度1000頭超え 周辺自治体 捕獲・調査体制を強化 茨城など4県

本年度導入予定の遠隔監視装置付きの囲いわな(渡良瀬遊水地連携捕獲協議会提供)
本年度導入予定の遠隔監視装置付きの囲いわな(渡良瀬遊水地連携捕獲協議会提供)


茨城、栃木、群馬、埼玉の4県にまたがる渡良瀬遊水地でイノシシが増えている。4県からなる渡良瀬遊水地連携捕獲協議会によると、2024年度の生息数は、前年度に比べて25%増の1044頭だった。農業被害も確認されており、本年度は一度に複数の捕獲が期待できる遠隔監視装置付きの「囲いわな」を導入するなど、捕獲や調査の体制を強化している。

同協議会によると、遊水地のイノシシ数は22年度に488頭、23年度に834頭、24年度に1044頭で、調査開始以来、初めて1000頭を超えた。増加の理由について、協議会は「詳しくは分かっていないが、遊水地は餌が豊富で隠れ場所も多い。イノシシの生息に適していることが挙げられる」(事務局の栃木県の担当者)と話す。

周辺では農作物への被害も確認され、人が襲われた例もある。こうした被害を防ぐため、本年度は捕獲の目標数を4県の6市町で構成する「渡良瀬遊水地保全・利活用協議会」との合計で、生息数の半分に当たる520頭に引き上げた(前年度は400頭)。

ドローンやセンサーカメラ、衛星利用測位システム(GPS)発信器を使ってイノシシの生息地域や行動範囲を詳しく調べる。餌でおびき寄せる「箱わな」や、足首などに輪をかけてつかまえる「くくりわな」に加え、スマホやパソコンを通じて遠隔での監視や操作が可能な囲いわなを導入。「捕獲の効率を高めて急激な増加を抑えたい」(同)としている。

6市町の協議会に加わる茨城県古河市も、農家の申し出を受けて、少しずつだが箱わなの設置数を増やしている。22年度は1カ所、23年度は3カ所、24年度は5カ所、25年度は7カ所設置した。24年度の捕獲数は前年度の2倍の16頭に上った。

市は「農作物の被害が出ているのは事実」(環境課)とし、ホームページなどを通じてイノシシの目撃情報や出合った場合の注意点などを発信している。



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