最低賃金35円上乗せ目標 30年めど、年5~7円 茨城県、連合、経済4団体

最低賃金の引き上げを巡り、茨城県と連合茨城、県内経済4団体は25日、国が示す目安額に毎年5~7円を上乗せする共通目標を設定した。県は、茨城県の経済実態を踏まえた最低賃金と実際の額には35円の差があるとし、2030年をめどに計35円の上乗せを目指す。各団体の代表らが集まる会議が同日、県庁内で開かれ、県が提案した共通目標に対し、合意が得られた。
共通目標は国の中央審議会が示す最低賃金引き上げの目安額に、毎年5~7円を上乗せするもの。5~7年間の中長期的な目標で、30年ごろに上乗せ額計35円を達成するとしている。
茨城県の最低賃金は昨年、目安の50円に2円上乗せの1005円に引き上げられ、全国で14番目となった。一方、県労働政策課によると、1人当たりの県民所得や消費者物価指数などから算出した経済実態を示す「総合指数」では茨城県は全国9位となり、最低賃金としては1040円程度が望ましいとされた。県はこの35円の差を段階的に解消することを提案した。
この日、県庁で開かれた会議には、県経営者協会など経済4団体や、連合茨城の代表者らが出席した。
県の提案を受け、経済団体は企業の負担感が強まることに懸念を示し、「県が行う支援策の効果を検証した上で、実情に即した支援の強化が必要」などと意見を述べた。連合茨城は「地域間の差を底上げする点では、中長期的な目標を掲げることは理解できる」との考えを示した。
県産業戦略部の大竹真貴部長は「3者間で共通認識を図れたのは重要な第一歩。(金額の)差を解消するため、それぞれができることを進めることが重要」と強調した。