障害者就職 最多2642件 茨城県内ハローワーク 24年度、3.7%増 法定雇用率上げ影響

茨城県内のハローワークを通じた2024年度の障害者の就職件数が前年度に比べ3.7%増の2642件となり、1970年の統計開始以降の最多を更新した。25日、茨城労働局が発表した。法定雇用率の引き上げや精神障害の手帳所持者の増加に伴う求職登録者の拡大が要因とみられる。一方で、身体障害者の就職件数はやや減少するなど課題も残る。
同局によると、障害者の就職件数は前年度比94件増。新型コロナウイルス感染症が流行し始めた2020年度に減って以降、4年連続で上昇した。障害者雇用促進法の法定雇用率が24年4月に2.5%に引き上げられ、26年に2.7%へ上昇することや障害者が働きやすい求人が増えたことも件数を押し上げた。
就職件数の障害別は、精神障害者が前年度比8.1%増の1543件で最も多かった。新規求職申し込み件数は9.1%増の2889件で右肩上がりで増加している。同局は社会的認知度の高まりで手帳申請の心理的ハードルが下がり、就職活動でも障害をオープンにする人が増えたとみている。
県によると、24年度末現在の精神保健福祉手帳所持者は2万8439人。20年度から7736人増えた。
このほか、難病疾患など「その他の障害者」の就職件数は34.2%増の98件となった。
一方で、身体障害者は7.2%減の514件。身体障害者の新規求職登録者の約7割が45歳以上と年齢層が上がっており、就職率が伸びていない。知的障害者は1.4%減とほぼ横ばいで487件だった。
産業別は、障害者が働きながら技能を身に付ける「就労継続支援A型事業所」を含む医療・福祉が1028件と全体の4割近くを占めた。次いで生産工程で任せる仕事をつくりやすい製造業が329件だった
全体の新規求職申し込み件数は7.2%増の5100件で過去最多となった。就職率は1.8ポイント減の51.8%だった。
ハローワークと茨城障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターは連携して障害者の就労を支援。職員が企業の面接に同行して必要な配慮を説明したり、就職後も定着のため助言したりしている。
同局の担当者は「今後も精神障害者の就職件数の増加傾向はしばらく続いていく」との見方を示す。