「鵜の岬」全国1位 24年度国民宿舎利用率 36年連続首位 茨城・日立

茨城県日立市十王町伊師の国民宿舎「鵜の岬」の2024年度の宿泊利用率が79.7%となり、全国40カ所の公営国民宿舎で1位となった。県が26日発表した。地元特産の食材を活用した宿泊プランを用意したことなどが奏功した。1989年度から36年連続の首位となった。
利用率は、客室の総定員に対する充足割合を示す。鵜の岬は2019年度までは80%台で推移。コロナ禍の影響で20、21年度は60%台前半まで落ち込んだが、22年度以降は77~79%まで回復していた。
24年度宿泊者数は5万7973人となり、前年度比では0.3%減と横ばいだった。このうち県内客が2万3332人と1割減ったのに対し、県外客は首都圏中心の3万4641人で1割増えた。利用の中心は、団体から小規模グループに移ってきているという。
鵜の岬によると、そば打ちや切り絵作りといった日本文化体験を提供したほか、交流サイト(SNS)による積極的な情報発信も誘客につながった。担当者は「家に帰ったような温かい雰囲気の宿づくりに努め、リピーターを増やしたい」と話した。