選定療養費 保護者に補助 学校要請 水戸市が制度創設 茨城

緊急性のない救急搬送患者から追加料金の「選定療養費」を徴収する茨城県主導の制度を巡り、同県水戸市は27日、市立の小中学校などで教員らが救急車を呼んで選定療養費の対象となった際に、保護者の支払い額分を補助する制度を始めた。県によると、県内で補助制度を創設する自治体は初めて。
対象は、市が設置する市内の小中学校と義務教育学校、幼稚園、認定こども園、保育所など計48校。放課後学級も含む。授業中など学校の管理下で子どもがけがをし、学校現場の判断で救急車を呼んだ場合に限る。保護者が救急搬送を要請する場合は対象外。
市によると、子どもがけがをして学校が救急車を呼び、緊急性が認められなかった場合、選定療養費は保護者に課される。その際、保護者は学校で補助金の申請書を受け取り、選定療養費の明細書を添付して市に提出すれば、費用分の補助を受けられる。
市内の小中学校では、教員が救急車を呼び、保護者が選定療養費を支払った事例が2件あった。市はこうした事例や現場の教員の負担を踏まえ、補助制度の創設を決めた。
市担当者は「学校現場には引き続き救急搬送の適正利用に関して求めることは変わらない」とした上で、「救急車を呼ぶのをためらい、子どもに重篤な後遺症が残るようなことがないようにしたい」と話した。