次の記事:部下の男性に暴行、死亡させる 容疑で上司2人逮捕 懇親会でトラブルか 茨城県警【まとめ】 

茨城県警 IMAT2拠点に 茨城町、つくば 救命へ体制強化

協定を結んだ県警の滝沢幹滋本部長(左)と筑波メディカルセンター病院の河野元嗣院長(県警提供)
協定を結んだ県警の滝沢幹滋本部長(左)と筑波メディカルセンター病院の河野元嗣院長(県警提供)


茨城県警は7月1日から、重大事件の現場に出動して応急治療を行う「事件現場医療チーム」(IMAT)の体制を強化する。1年前に水戸医療センター(同県茨城町)の1カ所を拠点として運用を始めたが、筑波メディカルセンター病院(同県つくば市)とも今月、協定を締結。2拠点体制で県内全域をカバーし、迅速な対応と救命率向上につなげる。

IMATの出動対象はバスや航空機、船舶の乗っ取り、刃物や銃器などを使用した人質立てこもりなど、けが人が発生する恐れのある突発的な重大事件。県警からの要請に基づき、現場に派遣される。

医師と看護師、調整員で構成され、現場到着後は近くの安全な場所に待機。けが人が出た場合、救急搬送するまでの間の応急治療を担い、救命率の向上を図る。警察はその場所までけが人を運ぶ。従来は救急隊(救急救命士)が現場に待機して応急処置に当たっていたが、できる救命措置は限られていた。

県警は昨年7月、県内で初めて水戸医療センターと協定を結び、運用を始めた。さらに今月20日には筑波メディカルセンター病院とも協定を締結し、7月1日に運用開始する。水戸医療が県央・県北地域、筑波メディカルが県南・県西地域で起きた事件に対応する。

刃物や銃器が使われた外傷死の大半は、出血によるとされる。両病院はいずれも救命救急センターがあり、重篤な患者に高度な専門的医療を提供する3次救急病院。高度な止血処置など、強みを生かした現場での活動が期待される。

運用開始以降、IMATの出動事案は発生していないが、重大事件はいつ起きるか分からない。県警捜査1課は「県内全域をおおむねカバーできる体制となった。訓練などを通して連携を強化していく」としている。



最近の記事

茨城の求人情報