参院選公示 茨城選挙区 現新8人、夏の陣 17日間 舌戦火ぶた

参院選が3日、公示された。茨城選挙区は現職2人と新人6人の計8人が立候補、第一声を上げるなど論戦が幕を開けた。物価高騰対策を主な争点に、各候補は、真夏日が続く県内各地を舞台に遊説へと駆けだした。審判が下される20日の投開票日に向け、17日間にわたり火花を散らす。
■希望持てる社会へ
参政新人の桜井祥子氏(41)は、水戸市内で行った第一声で「多くの方々に、日本の未来を一緒に考えていただきたい」と呼びかけた。午後はつくば市内で街頭演説した後、同市内で出陣式に臨んだ。減税と子ども1人につき月10万円の少子化対策で「子どもを産んでも安心して希望を持てる日本にする」と訴え、集まった支持者らとともに「参政党コール」で気合を入れた。
■国民の幸福を追求
無所属新人の牧山康志氏(65)は、JR土浦駅西口歩行者デッキで第一声を上げた。「多くの人が不安を抱えて暮らしている。支援する人とされる人の助け合いが必要だ」と訴えた。チラシに証紙を貼る作業などを終え、午後5時半ごろからは同駅バス停付近で街頭演説を再開。「政治の仕組みを、国民の幸福を追求する形に変えなければいけない」と駅利用者らに呼びかけた。
■自慢できる日本に
政治団体「日本改革党」新人の石井憲一郎氏58は立候補を届け出た後、早速、交流サイトSNSで発信。夕方からJR水戸駅南口に立ち、のぼり旗を掲げながら「日本人のための政治を目指す」と強調した。憲法9条改正や消費税撤廃などの政策を訴え「自慢できる日本に。古き良き日本を取り戻す」と呼びかけた。演説後は、水戸市内などで自ら掲示板のポスターを張って回った。
■手取り収入増加を
維新新人の北崎瀬里奈氏35は、県南地域で街宣活動を精力的に展開。牛久市牛久町の党県連事務所での第一声では社会保険料引き下げの必要性を強調し、「現役世代や若者が自分の将来に投資したり、結婚、教育、子育てにお金がかけられなくなる」と手取り増を主張した。茨城維新の会の石井章代表は「自公の議席を過半数割れに追い込めば、皆さまの生活は変わる」と強く訴えた。
■選挙戦全身全霊で
立民現職の小沼巧氏39は水戸市三の丸の駿優教育会館で出陣式を行い、党県連や独自候補擁立を見送った国民民主県連、推薦を受ける連合茨城の幹部ら約400人が駆け付けた。「茨城では『2党1団体』体制をつくっていただいた」と感謝し、政権与党への対決姿勢を鮮明にした。「皆さまの力を借りて議席を死守し、思いを政治に反映する。全身全霊で選挙を戦う」と力を込めた。
■2期12年実績強調
自民現職の上月良祐氏(62)は水戸市内での出陣式後、正午過ぎにJR水戸駅南口で第一声。集まった支持者らと握手を交わし、「経済産業副大臣の重責や厳しい国際交渉などを経験し、問題となっているコメ価格の安定化にも取り組んできた」と2期12年の実績を強調した。3選へ向け「次が本番。3幕目を開ける手伝いをお願いしたい。必ず成果を出す」と訴え、県内遊説へ向かった。
■学費の無償化実現
共産新人の高橋誠一郎氏(30)は夕方、若年層へ支持を広げようと、水戸駅南口で演説に立った。帰宅途中の高校生らに「お金の心配なく、誰もが学校に行ける当たり前の社会をつくっていきたい」と、大学など学費の完全無償化実現を訴えた。党の塩川鉄也衆院議員も応援に駆け付け、消費税減税や軍拡反対を主張し、「高橋候補を何としても押し上げてください」と協力を仰いだ。
■「NHK問題」訴え
政治団体「NHK党」新人の酒井明男氏(50)は午前8時40分ごろ、県庁で立候補を届け出た。その後は、街頭演説用の標旗などに自ら名前を記入。午前11時ごろから、県庁北側で「まず訴えていきたいのはNHK問題だ」と第一声を上げた。水戸市内を中心に、所属する政治団体名を前面に押し出したポスターを張り、SNSなども活用して幅広い年代への支持を呼びかけた。(各候補の年齢は投票日現在)