日本近代洋画130年たどる 笠間、21日まで 由一「鮭図」など70点 茨城

明治初期からの日本近代洋画の歩みをたどる企画展「日本の洋画130年 珠玉の名品たち」が、茨城県笠間市笠間の笠間日動美術館で開かれている。草分けの高橋由一(1828~94年)の代表作「鮭図」をはじめ、黒田清輝や梅原龍三郎らと彼らに影響を与えたヨーロッパの画家計61人による洋画と彫刻計70点が展示されている。
日本の近代化が急速に進んだ明治初期、美術分野でも西洋の作品や技術が国内にもたらされた。西洋画の描写の迫真性に魅せられた高橋は、英国の報道画家、ワーグマンの下で油彩画を学んだ。同館所蔵の「鮭図」は、3点しかない真筆の同名絵画の一つ。サケのうろこや身、骨などが細かに描き込まれ、実物が目の前にあるかのような重厚感を漂わせている。
日本近代洋画の道を開いた高橋にはじまり、礎を築いた五姓田義松や黒田、藤島武二、大正から昭和にかけて日本独自の洋画をつくりあげた萬鉄五郎や岸田劉生、梅原らの作品を、7部構成で展示。各時代の作品を通して、日本の洋画史を知ることができる。
同館の学芸員、鴻村大地さん(24)は「優れた画家の一流作品がそろう。少しでも日本の洋画に興味を持ってもらえたら」と来場を呼びかけている。
21日まで。月曜休館(21日は開館)。問い合わせは同美術館(電)0296(72)2160。