第107回全国高校野球茨城大会 開会式 部員先導、健闘願う 登録外や女子選手

第107回全国高校野球選手権茨城大会が5日、開幕した。茨城県水戸市見川町のノーブルホームスタジアム水戸では開会式が行われ、選手たちはスタンドからの拍手に包まれ堂々と入場行進した。校名が書かれたプラカードを持ち選手を先導する役割は今大会から各校の部員が担当。マネジャーや登録外となった3年生、女子選手などがそれぞれの思いを胸に仲間と行進し、チームの健闘を願った。
古豪水戸商は3年のマネジャー、細谷優亜さん(17)がプラカードを持って行進。「いつもは入れないグラウンドに立ち、選手と同じ気持ちになれた」と感慨深そうに話した。
マネジャーながら、周りに気を配る性格を買われ副主将も担う。通常のマネジャー業に加え、監督と選手の橋渡し役など、チームの中心として行動してきたという。
「リズム感に自信がなく、行進に不安があった」ため、選手の練習後に1人で行進を練習した。この日は笑顔を絶やさず歩き、「練習通りにできた」と満足そうな笑顔を浮かべた。
最初に入場した昨年の優勝校霞ケ浦は3年の佐藤建太朗さん(17)がプラカードを持った。「最後に大舞台に立つ姿を親に見せたかった」。太ももを誰よりも高く上げ、力強い行進で仲間たちを先導した。
同校では登録外の3年生から担当を選出。候補者全員でグラウンド整備に使うトンボをプラカードに見立てた選考会などを経て、佐藤さんが選ばれた。
福島県の湯本三中から甲子園を目指して同校に入学したが捕手のポジション争いは厳しく、最後の夏は試合に出場できる20人の登録枠を逃した。悔しい気持ちはあったが気持ちを切り替え、チームのサポート役や応援に徹した。迫力ある行進を披露し「甲子園を目指して頑張ってほしい」と仲間の奮闘を願った。
つくば国際は3年の女子選手、東ケ崎小夏さん(17)が制服姿で務めた。球場に入ると「人がいっぱいですごかった」と圧倒されたが、共に汗を流した仲間たちとの行進は「緊張せず歩けた。100点の出来」と笑顔で振り返った。
プラカードは前大会まで水戸女の生徒が担当。県高野連によると、4~5年前から各校から持ち手を自校の生徒にしたいとの要望があった。榎戸努専務理事は「生徒ファーストで考え、変更した。課題もあったが、継続していきたい」と話した。