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地元の歴史、伝え残そう 日立・市民劇団 コロナ禍乗り越え6年ぶり公演へ 茨城

「ひたち市民シアター」の発会式で公演へ向け意欲を示す関係者=日立市千石町
「ひたち市民シアター」の発会式で公演へ向け意欲を示す関係者=日立市千石町


茨城県日立市の演劇愛好家らが、地元の伝説や歴史をテーマにした戯曲を上演しようと、市民劇団を発足させた。実行委員会を立ち上げて2019年にプレ公演を実施したものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響で本公演が中止。新たに実行委をつくり、6年ぶりに市民参加の公演を目指す。関係者は来年2月の本番へ向け意気込んでいる。

市民劇団「ひたち市民シアター」は、同市内などで活動する劇団を中心に実行委をつくり、市民から出演者を公募。約50人の出演者やスタッフが参加する。

18年以降、旧実行委が市制80周年に合わせて「オペラミュージカル『日立の玉手箱』」の上演を準備。19年8月にプレ公演を行ったが、コロナ禍で20年3月に予定していた本公演がやむなく中止。そのまま再開できずに現在に至っていた。中心メンバーらが「もう一度、次世代に日立の歴史を伝え残していこう」と声を上げ、趣旨を受け継いだ。

演題は「石のこえ みらいのまち-日立市民劇-」。内容は、5億3000万年前の地層に立つ街、日立を舞台に、「常陸国風土記」に記された御岩神社、日立鉱山から発した工業都市、戦争の被災などが語られる。人物も神話の神様から水戸黄門、日立製作所の草創期を率いた小平浪平、同市出身の作曲家、吉田正らが登場。地元の良さと未来への希望を描き出す。

5日に同市千石町の多賀市民会館で発会式が開かれ、関係者があらすじの朗読や交流会を行った。出演者の中で最高齢の鯨岡洋子さん(80)は「皆が元気になる演技で、楽しく生きることの大切さを伝えたい」、県立高萩高2年、白田唯凪(ゆいな)さん(16)は「とても楽しみ。印象に残る演技をしたい」と語った。

実行委員長で脚本監督も手がける豊田郁央さん(64)は「街の良さを子どもたちに伝えられれば。豊かな文化の華を咲かすことにつなげたい」と訴えた。



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